ラウドな熱を轟かせる、タフでフルーティーな2人組!
四国・愛媛は松山から全国へ。ひめキュンフルーツ缶、nanoCUNEに続いてMAD MAGAZINEが送り出したFRUITPOCHETTE。その序列から見て、先行したグループの〈妹分〉的存在のようにも思える彼女たちですが、この東志栞と寺谷美奈の2人はいずれも今年成人式を迎えたばかり。そんなお年頃だけでなく、昨年の春にはわずか3か月足らずで47都道府県を駆けめぐるなど、タフな活動にかけては随一の存在だったりするのです。
志栞「(全都道府県ツアーは)かなりしんどかったですけど、自信はつきました」
美奈「マイクとか衣装とか着替えとか荷物も多かったので、筋肉もついたね(笑)」
さらに……。
志栞「スタッフさんからは、基本〈オマエら〉って呼ばれます(笑)。たまに……〈ブス〉とか(笑)。それを聞いて〈私たち、愛されてるな!〉って思えるぐらいポジティヴなんですけどね」
という凹み知らずの2人が標榜するのはメタル・サウンド。ラウド系の音で勝負するグループも多いだけにキャッチフレーズ以上の個性を際立たせるのも容易なことではないでしょうが、パワフルさだけでなく、ハーモニーもバッチリとキメる2人の歌唱力や息の合ったダンス──言わば正攻法なパフォーマンスで魅了することができるのは、彼女たちの強みです。
志栞「バンドマンさんからも高い評価をいただいてます! 〈トシをごまかしてるだろ!〉とかイチャモンをつけられるときもありますが(笑)」
美奈「対バンしたバンドの皆さんが別の現場に観に来てくれたりとか、嬉しいよね」
実年齢よりも高く見られるのは、堂に入った〈らしからぬ〉パフォーマンスによるところも大きいはず!……というわけで、このたび登場したのがファースト・フル・アルバム『The Crest Of Evil』。20歳ということで、酒とタバコを手にした2体のガイコツがラットフィンクばりにホットロッドに跨るアートワークもインパクト大なこのアルバムには、メタル~ハード・ロック系のブランニューなナンバーが13曲されています。同郷のスクリーモ・バンド、When My Life is Overの元メンバーである遠藤元気がほとんどの作編曲を手掛け、やはり同郷のKEN'ICHI(元SEX MACHINEGUNS)ら凄腕プレイヤーを従えて構築された楽曲群は、エモーション全開のナンバーを中心としつつも、ブルースを練り込んだ“偉人-CleverDick-”、エレクトロとフュージョンした“饒舌-DieOut-”、アコースティック・バラード“堕天使-Repose-”など、果敢なアプローチを見せつけるものも。ちょうど1年前に発表した2作同発シングル“月光-Destruction-”“炸裂-Burning-”以降のタフな活動を、まさに実らせた作品と言えるものです。
志栞「もう、すごくワクワクしてます!」
美奈「早くライヴでやりたいよね」
志栞「初めの頃に比べればノリもわかってきてるし、レコーディングも楽しかったし……」
美奈「一曲一曲が自分のなかに入りやすくなってて……そのへんが成長してるところなんだなって思います」
志栞「(事務所の)社長さんからも〈歌が上手くなった〉って誉められて」
美奈「最近はホント、相当メタル好きになってます!」
充実感いっぱいのアルバムを引っ提げて、昨年以上にタフであっぱれな活動を展開していくであろう様子のFRUITPOCHETTE。その逞しき姿を、どこかでキャッチしておかねば……ねっ!
志栞「持ち曲が10曲ちょっとぐらいしかなかったのが、これで一気に増えるので、定期公演とかでも長めのセットで聴かせたいですね」
美奈「セトリ決めるのも楽しみだよね」
志栞「そう、その日の気分で決めたりとかね。もう、早くライヴで聴かせたくてウズウズしてますよ!」