『東京大学のアルバートアイラー』で菊地成孔大谷能生コンビが話題にしていた濱瀬元彦氏のパーカー分析がこれだ。リディアン・クロマティック・コンセプトというジョージ・ラッセルが構築したセオリーを分析した上に、下方倍音列という虚数的概念を採用しながら新しいトーナリティーの構図を展開してみせた前著『ブルーノートと調性』と並行して進められていたパーカーの分析が、分析開始から20年以上の歳月を経てまとめられた。パーカーの音楽を徹底的に採譜し、分析して、体系化を試みた画期的な研究書。この本の後にパーカーは、何になるのだろう。

【参考動画】CHARLIE PARKER QUARTETによるスタジオ・ライヴ映像