ノルウェーが世界に誇る異能音楽集団ジャガ・ジャジスト。彼らはこれまでにもポスト・ロックやジャズ、テクノや現代音楽、シューゲイザーなどなど幅広いジャンルを越境する独自のサウンドを届けてきた。今作は、エレクトロニックな方向に振り切りつつ、壮大なスケール感を湛えたこれまで以上にアグレッシヴなアルバムに仕上がっている。管楽器やギター、ヴィブラフォン、各種シンセサイザーなどが、緻密なニュアンスと組み合わせの妙より、局面に対応した生々しい“声”を獲得/表現できているからこその、迸る迫真性。単なる“高水準な人力エレクトロニカ”とはかけ離れた、美しくも活力に溢れた大作だ。
ジャガが帰ってきた! およそ6年ぶりとなるこの新作は、エレクトロニクスの割合が減少し、よりオーガニックな方向へ。全編を通じてタイトに引き締まった印象を与えつつも、壮大かつカオティックな音世界はしっかりと維持されている。ストリングスや管楽器も入り乱れる濃厚な音の渦に身を委ねれば、彼岸の世界へとトリップしてしまいそうだ。日本盤には同じノルウェー出身のトッド・テリエによるリミックスも収録!