ジャガ・ジャジストの結成は94年。今回のインタヴューに応じてくれたラーシュ・ホーントヴェットは、当時まだ14歳だった。96年に自主制作盤『Jaevla Jazzist Grete Stitz』を発表し、2001年の2作目『A Livingroom Hush』で海外進出。ビッグバンド・ジャズとエレクトロニカを折衷したようなこのアルバムは、BBCの〈Jazz Album Of The Year〉にも選出されてロング・ヒットを記録する。

【参考音源】ジャガ・ジャジストの2001年作『A Livingroom Hush』収録曲“Animal Chin”

 

 そうした追い風を受け、翌2002年に名門ニンジャ・チューンからライセンス・リリースされた『The Stix』で、前作より格段にスケールの大きくなった音楽性も相まって、世界的な評価を得ることに。

【参考音源】ジャガ・ジャジストの2002年作『The Stix』収録曲“Day/Another Day”

 

 しかし4作目『What We Must』(2005年)ではマイ・ブラッディ・ヴァレンタインばりのノイズ・ギターをフィーチャーし、従来と異なる路線のサウンドを提示。ここでのチャレンジングなアプローチは好意的に受け入れられ、グループの憧れでもあったトータスジョン・マッケンタイアがミックスを手掛けた次作『One-Armed Bandit』(2010年)にて、彼らはさらなる実験的なプロダクションを模索しながら、アフロビートへ接近して肉体的なグルーヴを体得する。

【参考音源】ジャガ・ジャジストの2010年作『One-Armed Bandit』収録曲“Bananfluer Overalt”

 

 そして2013年に英国の管弦楽団との共演ライヴを収めた『Live With Britten Sinfonia』をリリース。『One-Armed Bandit』収録曲のメロディーを下敷きに、大胆なオーケストレーションで彩った同作での経験は、ニュー・アルバム『Starfire』にも確実に反映されているのである。

【参考動画】ジャガ・ジャジストが2013年に行った英国の管弦楽団との共演ライヴより
“One-Armed Bandit”