コラム

ディプロ&スクリレックス=ジャックUが、まじめにふまじめをキープして仕上げたマジな完成度の高さ誇る初作

メジャー・レイザー&ジャックU Pt.2

ディプロ&スクリレックス=ジャックUが、まじめにふまじめをキープして仕上げたマジな完成度の高さ誇る初作

こちらはスクリレックスとディプロの超獣コンビ! この音が鳴り出したが最後、ユーの身体もジャックしちゃうよ!

 昨年3月にマイアミでの〈Ultra Music Festival〉で初披露された、スクリレックスディプロによるスーパー・ユニット=ジャックU。それ以前から結成自体のトピックはあったとはいえ、やはり実体化には大きなインパクトがあった。そして9月にはカイザをフィーチャーしたデビュー・シングル“Take U There”を投下。スクリレックスの鋭いサウンドにディプロの人を食ったようなノリが入り交じったようなトラップ仕掛けの同曲はさらに話題を広げ、そのまま大晦日にはNYのマディソン・スクエア・ガーデンでカウントダウン・イヴェントのヘッドライナーを務めるなど、別格の影響力を発揮した。

 今年に入って年頭にはディプロの来日という話題も挿みつつ、ジャックUは単なる花火では終わらなかった。2月26日より18時間耐久の〈Marathon DJ Party〉を開催した2人は、ストリーミング中継もされたそのDJセットの最中に突如として作品リリースを宣言。27日にサプライズで配信リリースを開始したのが、このたびフィジカル化も実現した『Skrillex And Diplo Present Jack U』というわけである。

JACK U Skrillex And Diplo Present Jack U Mad Decent/OWSLA/Big Beat/ワーナー(2015)

 EDMシーンを大雑把に括って一望するなかで、いままでにない価値基準などが存在するフィールドということもあってか、どうしても年収やDJランキングなどさまざまな数字によってそのスケールが紹介される機会は多いし、ファン・ベースを築く仕組みやSNS戦略のようにシーンそのもののマーケティング的な側面が先に強調されることは多い。彼らもそうした目線を免れることはできないとして、そうやって積み上げられた数字もすべては根源となる音楽ありきの話だということを忘れてはならない。そうでなくても特に槍玉に上げられやすいスクリレックスではあるが、ストイックに自身の表現を研磨して伸張させてきたからこそのパーティー・モンスターである。ディプロ持ち前の閃きやセンスにしても同じことが言えるし、だからこそ、まじめにふまじめをキープして仕上げられたジャックUのマジな完成度の高さは、受け手に余計なプレッシャーをかけることなくストレートにカッコいいサウンドとして届けられたのだろう。

 今回の『Skrillex And Diplo Present Jack U』においては、互いのカラーをうまく配合しながら、双方の他プロジェクトとはまた異なるジャックUのらしさが追求されている。ブンジ・ガーリンタランチュラの出番はあってもメジャー・レイザーとは明らかに違うわけだ。他にもアルーナジョージとの麗しい“To U”、ジャスティン・ビーバーを迎えたエキゾでドラマティックな“Where Are U Now”、ミッシー・エリオットを招いた“Take U There”のリミックスなど、耳を貸すべき大興奮チューンがとにかく満載されている。メジャー・レイザーと並んで、この夏もアッパーな気分で楽しみたい人は必携だろう。

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