「スーパーマンIII 電子の要塞」にも関わって第2の黄金期に突入した83年のジョルジオ・モロダーですが、なかでも重要なのは当然これ。ジェニファー・ビールスの出世作にしてブレイクダンスを題材にした最初のハリウッド映画で、アイリーン・キャラの歌う“Flashdance... What A Feeling”は全米No.1を記録しました。日本語カヴァーも懐い。
後にジェフ・ミルズも架空のサントラを制作し、それ以前にクラフトワークもモチーフにしたというサイレントのSF映画「メトロポリス」(27年)。その散逸したフィルムを再編集して音楽をつけ、84年に公開したジョルジオ一世一代のプロジェクトです。フレディ・マーキュリー“Love Kills”などサントラ収録曲は各々の代表曲に。
カジャグーグーのアルバムも含む5枚セットで紹介しますが……同名映画の主題歌としてあまりにも有名なジョルジオ作の“Never Ending Story”は、リマールの84年作『Don't Suppose』に収録されています。その成功を受け、ほぼ全曲をジョルジオが手掛けた『Colour All My Days』(86年)もまとめて聴けます!
〈第5世代のロックンロール〉を謳うコンセプトや謎の日本語や変なアレンジも話題となった、トニー・ジェイムズ(元ジェネレーションX)率いるバンドのデビュー作。冗談パンキッシュなシンセ・ポップは異様なノリの良さで、90年代以降のジョルジオが一部でキッチュな人気を集めていたのは本作を手掛けたからかも?
トム・クルーズをスターに導いたヒット映画のサントラにして、「フラッシュダンス」に続いてジョルジオに2度目のアカデミー賞を授けた特大ヒット作。その受賞曲となるベルリン“Take My Breath Away”のほか、ケニー・ロギンス“Danger Zone”などが軒並みヒットして、ドラマ性で押すアリーナ・ロック的な仕事もここで確立。
いわゆる〈スタローン映画〉を代表する一作で、ここでもジョルジオがサントラ全編を担当。エディも参加して実質ヴァン・ヘイレンなサミー・ヘイガーのエモい名曲“Winner Takes It All”、いまも耳にすることの多いジョルジオ名義のインスト“The Fight”などマッチョ魂を熱く燃やす佳曲揃いで、単細胞と言われてもこれがイイんです。
祝デビュー35周年!の松田聖子が全米デビューした意欲的な一枚。モーリス・スターら当時の一線級クリエイターたちが並ぶなか、ジョルジオもマイルドな“Halfway To Heaven”をプロデュース。90年代に突入する前後から仕事を引き受けなくなっていったというジョルジオだけに、この時期のワークスは案外貴重なものです。
ディスコ隆盛期にはピート・ベロッテ&ソー・バルダーソンと『Victim Of Love』(79年)を作っていたエルトン・ジョン。このデュエット企画盤では、自身の過去曲“Don't Go Breaking My Heart”をル・ポールとディスコ・リメイクするにあたり、ジョルジオにプロデュースを依頼しました。ロジャー・サンチェスのリミックスがかっこいい。
ダフト・パンクとのコラボが実現した年の、もうひとつのサプライズ。前年に逝去したドナ・サマーのトリビュートも兼ねたリミックス企画盤にてMAWやクローメオ、アフロジャックらに交じり、ジョルジオも“Love To Love You Baby”を担当したのです。カサブランカ時代の蔵出し曲“La Dolce Vita”も優美!