〈ジョルジオ〉名義による初期録音は編集盤になっていますが、そのへんも含めて彼のソロは入手困難なブツも多い……。わりとよく見る本作は〈世界初のデジタル・ライヴ・レコーディング〉を謳った画期的な一枚で、ピコったアレンジと青臭い歌声の織り成す未来感の懐かしさが凄い。よく見るとアートワークも強烈!
ジョルジオ・モロダーにとってのMFSBというか、ミュンヘン・サウンドを支えたミュージシャンたちの総称。ジョルジオとピート・ベロッテを中心に、ステファン・ワイスネット(ベース)ら多くの演奏家によるスタジオ・プロジェクトとしての録音も残され、特に本作所収の“Get On The Funk Train”は後世のネタ人気も高いものです。
ドナ・サマーのブレイクで旬の名前になったジョルジオは、すでに様式を確立した大物から起用される機会も増えていく。本作ではイメチェンしたいジャニスの意向で2曲のプロデュースを手掛け、モダン・ポップな“Fly Too High”はライトな新境地に。キャリア上ではあまり重要視されないものの、彼女自身は大好きな一枚だそう。
ひねくれポップで一時代を築いた兄弟バンドが、低迷からの心機一転を図ってジョルジオにプロデュースを委ねた一作。ミュンヘンまで出向いてレコーディングした結果、ニューウェイヴ時代の到来にシンクロしたテクノ・ポップ~エレポップへの開眼は、ジョルジオにも新たな道を開いたはず。そんな彼らの現在は……こちらをチェック!
独アリオラでスリー・ディグリーズらを手掛けていた時期のジョルジオが、同時期にプロデュースしたシングルこそ“Life In Tokyo”(79年)です。当時はアルバム未収録ながらもバンドが耽美なシンセ・ポップへと転換していく契機にもなった重要な一曲で、いま聴くとボウイ×イーノっぽくもあり。トキオ・ホテルにも影響を及ぼしたかも?
リチャード・ギアがジゴロを演じた初期代表作のひとつで、ジョルジオはハロルド・フォルターメイヤーと共にシンセを操ってサントラの全編を担当しています。ブロンディーにとっても代表曲となる“Call Me”はこちらが初出で、デジタルのチープさと荒々しいパンキッシュ感覚を繋いだ意味でもエポックな一曲でしょう!
ディスコ・ブームから上手くスライドして「ミッドナイト・エクスプレス」や「アメリカン・ジゴロ」以降はサントラの巨匠になっていったジョルジオ。80sデヴィッド・ボウイの代表作に収録の“Cat People(Putting Out Fire)”は、前年公開映画のサントラ『Cat People』が初出で、本編の内容に合わせたジワジワ系にボウイの役者ぶりが映えています。
「D.C.キャブ」の音楽も手掛けて第2の黄金期に突入した83年のジョルジオですが、なかでも重要なのは当然これ。トニー・モンタナをアル・パチーノが演じたマフィア映画の名作で、多くのラッパーたちに愛されたことから全編を手掛けたジョルジオの音楽もたびたびリサイクルされることに。デビー・ハリーとの再タッグもここで実現。