15周年を突破したトゥルー・ソーツのここ数年
99年に設立され、昨秋のコンピ『Tru Thoughts 15th Anniversary』(Tru Thoughts:以下同)で15周年を祝ったトゥルー・ソーツ。bounceでは5周年と10周年の際もレーベル特集を掲載したのだが、昨年は忘れていたので、ここでは10周年以降のレーベル作品をごく一部ながら紹介しておきたい。
2010年頃にレーベルの看板だったのは古株のクァンティックとノスタルジア77、ファンク・バンドのバンブーズ軍団、生え抜きのベルルーシュらで、他にもマッドスリンキー名義の『Make A Change』で2010年に移籍してきたゼッド・バイアス、2011年に『Renegades』を発表したマーク・ド・クライヴロウら大物の活躍も目立っていた。ただ、バンブーズは2012年の『Medicine Man』とカイリー・オウルディストの同年作『Still Life』を最後にレーベルを離れ、ベルルーシュは解散。2013年には、ホット8ブラス・バンドの『Tombstone』、アリス・ラッセルのレーベル復帰作『To Dust』、ハーレイブルーの処女作『Forget Me Not』、90sドラムンベースの大御所ペシェイのブロークン・ビート作『Generation』と充実作を連発するも、クァンティックの人気と比べればレーベル総体の勢いは弱まったようにも思えた。
が、15周年目にあたる2014年には、ノスタルジア77が力作『Measures』を放ち、LAビート系の新星ロスト・ミダスの『Off The Course』も高い評価を獲得。今年に入ってからはビョーク仕事で著名なマヌ・デラーゴの『Silver Kobalt』もありつつ、ジョニー・フェイスの大傑作『Sundial』、ヒップホップ方面ではディズ1の好盤『In Sickness & In Health』、ウェルカのクロスオーヴァーな佳作『Colours Of A Red Brick Raft』と、フレッシュな名前が好調な雰囲気を生み出しているところだ。今後の展開にも期待大である。