超絶インスト曲にJ-POPカヴァーを含んだヴォーカル・チューンが加わった力作

(C)Tappei Tohda

 

 白井アキト(p)、鶴谷智生(ds)、山本連(b)によるハイパー・フュージョン・ピアノ・トリオが待望の2作目をリリース。従来のインスト曲に今回はヴォーカル・チューンも加わって魅力が倍増した格好だ。その新作について鶴谷と白井に話を聞いた。

――白鶴山はメンバ−3人の頭文字を取ったわけですが、そもそも結成の経緯は?

 「ごくごくかいつまんで言うと、白井君とは2011年秋の北京のジャズフェスに出演することになって、羽田空港のラーメン屋で初めて顔を合わせた。そこでお互いに意気投合しちゃって、一緒に何かやろうと。ベースは誰がいい? 山本っていう若くていいのがいる、じゃあって12年春にセッションがてら最初のライヴをやり、2回目には早くもDVDを収録して(笑)。そして13年に全国ツアーで約50本ものステージをこなしたあと、昨年5月に1st作『一献献上』をリリースした」(鶴谷)

白鶴山 SAMURAI GOLD ELECTRIC BIRD(2015)

――新作『サムライゴールド』は7曲目までとラスト13曲目こそインストですが、8~12曲目はヴォーカルに宮本美季植松陽介を迎えて、しかも宮本さんが歌う3曲は誰もが知るJ-POPの大ヒットのカヴァーというのが前作との大きな違いです。アレンジは主に白井さんだそうですが、それにしてもリハーモナイズやリズムのキメなど、ずいぶんと凝ってますね。

 「13年のツアーのときに《Choo Choo TRAIN》をやったら、すごく盛り上がって。で、もっとカヴァーをということでいろいろ候補曲が出た中から、今回は久保田利伸さんの《LA・ LA・ LA Love Song》と山下達郎さんの《Ride On Time》を選んだんです。アレンジはやっぱりインパクトを大事にしてますね」(白井)

 「曲によって録る時期も場所も違ったので、最初はインストとヴォーカルものがばらけるかなと」(鶴谷)

 「そう。ところがマスタリングのときに不思議と各テイクに統一感が出たんです」(白井)

 「だったらいっそのことって終盤に歌ものを固めてみた。昔のアナログLP盤だったらインストA面、歌ものB面なんていうのができるけど、CDは無理なので、その辺りはジャケットの表と裏を変えてそのコンセプト感を出してみた。そうそう、この黄色ってタワーさんっぽくない?(笑)」(鶴谷)

――言われてみれば(笑)。No Samurai, No Gold、なんちゃって(笑)。

 「それ! いただき(笑)」(鶴谷&白井)

 「それはともかく、10月後半から西日本を中心にツアーをやるので、ぜひCD買っていただいて、ライヴにも足を運んでくれたら嬉しいですね」(鶴谷)

 

LIVE INFORMATION
「サムライゴールド」発売記念ライヴ
○10/21(水) 東京:ブルース・アレイ・ジャパン
○10/26(月) 京都:Live spot RAG
○10/27(火) 名古屋:tokuzo
○10/28(水) 横浜:KAMOME
○11/5(木) 徳島:STUDIO NOAH
○11/6(金) 岡山:MO:GLA
○11/7(土) 出雲:願楽寺(がんぎょうじ)
○11/8(日) 島根:三瓶 西の原レストハウス 
○11/9(月) 広島:LIVE JUKE ほか
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