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NWAの作品をおさらい!

N.W.A. N.W.A. And The Posse ユニバーサル(2015)

 イージーの12インチ“Boyz-N-The Hood”からの3曲に、NWAの初EPに入った3曲などを収めた、大きな括りのNWA軍団としてのコンピレーションさ。全曲のプロデュースをドレーが手掛け、キューブがイージーのリリックも書いているが、アラビアン・プリンス主導の“Panic Zone”や、ロン・デ・ヴーなるイージーの相棒、ソングライト参加に声出しもあるクレイジー・ディーの存在、レンイェラの不在(レンはジャケにのみ映っている)など、クルーが形を成すまでの勃興期の混沌がおもしろいね。オハイオ・プレイヤーズ使いの“Dope Man”はキューブの話芸とイージーの得難いキャラ、リック・ルービンへの憧れもモロなドレーのラフな手捌きが融合した最高の原石だな! *DG

 

 

N.W.A. Straight Outta Compton ユニバーサル(2015)

 進学したキューブの不在期なども挿み、イェラとレンの正式加入も経て、ごく短期間で作られたというオリジナル・ファースト・アルバム。いま聴けばオープニングから疾走する表題曲と“Fuck Tha Police”の連弾はパブリック・エナミーの影響バリバリなんだが、べらぼうに生々しいライヴ感と完璧にオーガナイズされたドレー・サウンドの同居するカッコ良さは無条件だぜ。キューブのソウルフルなソロ“I Ain't Tha 1”、ドレーの実質ソロとなるラジオ向けの“Express Yourself”、鋭く脇を固めるレンのソロ2曲、アラビアン・プリンスの置き土産となるエレクトロなど、さまざまな編成とアレンジによる楽曲もヴァリエーション豊か。こりゃクラシックと言うほかないね。クラシック! *DG

 

 

N.W.A. Niggaz4life(+100 Miles And Runnin') ユニバーサル(2015)

 キューブの脱退を受けて作られたセカンド・アルバムにしてラスト・アルバム。ブラック・パンサー風の〈闘士〉なイメージに比べてマフィアっぽさを気取ってみせ、暴力やエロ路線へもあえて露悪的に踏み込んだ感が強いから、まあ映画でほぼスキップされているのもわからなくはないぜ。ただ、ワルい娯楽大作として世の興味を掻き立て、この手のラップ作品では初となる全米No.1を獲得したのは、後のギャングスタ・ラップ興隆に大きく作用しただろう。一方、キューブとDOCの声を失ったことでドレー・サウンド自体の劇画的な密度も段違いに進歩。Gファンク開眼に至るまでのステップは、ほぼ後のデス・ロウ時代まんまな“Alwayz Into Somethin'”などからもわかるよな! *DG