イギー・ポップが3月18日にリリースするニュー・アルバム『Post Pop Depression』の収録曲“Sunday”を公開した。
先行公開された“Gardenia”にも驚いたが、この第2弾となる“Sunday”も抜群の内容だ。イギー本人の勇ましい歌声と、不穏で重厚なアンサンブルに女声ヴォーカルが絶妙な絡みを見せる。一度静まり返ったあとにアウトロで鳴り響く、感傷的なストリングスでフィナーレを迎える構成もお見事。そして特筆すべきは、かつて盟友のデヴィッド・ボウイがプロデュースを手掛けた代表作『The Idiot』『Lust For Life』(共に77年作)を想起させる独特のコーラス・ワークだ。この離れ業とも言える出来栄えは、現代的なアップデートを施しつつ、黄金期の姿を取り戻してみせた末期のボウイと重ねずにはいられない。〈このアルバムが最後の作品になるかも知れない〉とイギーは語っているそうだが、新作への期待は高まるばかりだ。
さらにイギーは、去る2月22日にNYのカーネギー・ホールで行われた〈チベット・ハウス・ベネフィット〉コンサートに出演した際、パティ・スミス・グループのメンバーと一緒にボウイ“The Jean Genie”をカヴァー。さらにその後には、シャロン・ジョーンズと共にボウイの“Tonight”をデュエットも披露している。後者は『Lust For Life』に収録されてから、84年にボウイがティナ・ターナーを迎えて再レコーディングしたナンバーだ。
少し話は逸れるが、ボウイ・トリビュートといえば〈ブリット・アウォーズ2016〉での追悼ライヴは本当に素晴らしかった! なかでも、ボウイのバック・バンドによるメドレーに続いてロードが歌う“Life On Mars”が白眉なので、未見の方はぜひ(同曲の演奏は9分過ぎ~、サムネイルだけで涙が出そう……)。