コラム

ジェフ・ベックが若き女性プレイヤー従え、ガレージ/ハード・ロック軸に聴きやすい歌モノに仕立てた新作『Loud Hailer』

ジェフ・ベックが若き女性プレイヤー従え、ガレージ/ハード・ロック軸に聴きやすい歌モノに仕立てた新作『Loud Hailer』

まだまだ野心は衰えちゃいない! 両手に花を抱えてラウドに攻めるぜ!!

JEFF BECK Loud Hailer Atco/ワーナー(2016)

 活動の軸をツアーに置く大御所なので、アルバムのスパンが6年空いたこと自体にさほどニュース性はないと思うが、この新作『Loud Hailer』が親子(孫?)ほど歳の離れた女性2名――ボーンズのギタリストであるカルメン・ヴァンデンバーグとヴォーカル担当のロージー・ボーンズ(後者はロージー・オディの名でMrハドソンフラックス・パヴィリオンの作品に参加してきた人物)――と作られたのには驚いた。バリバリのガレージ/ハード・ロックを軸に、オールディーズ風も飛び出す内容は、ほぼ歌モノで構成されているのでとても聴きやすい。もちろんドヤ顔でチョーキングをかますベックの姿もバッチリ目に浮かぶ。デッド・ウェザーカレン・エルソンなどジャック・ホワイトが女性歌手と組んだ作品に近い聴き心地、なんて声も言われてみれば妙に納得だ。

 そんな新体制で臨んだ会心のアルバム完成を記念して、72年作『Jeff Beck Group』と73年作『Beck, Bogert & Appice』が、リリース当時ほとんど市場に出回らなかった〈クアドラフォニック〉なるマルチ・ハイブリッド・ミックス仕様で再登場。超名盤がより立体的な音で甦った喜びに浸りつつ、ここでのファンキーなナンバーが新作の内容としっかり繋がっていることも確認してみてほしい。

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