面白すぎて一気読み! 『天才 勝新太郎』『あかんやつら』の春日太一の本ですからそれは当然! 時代劇の革新者にして、世代によっては有名女優が脱いでます大作映画の監督としてお馴染み五社英雄の評伝。まず五社という人が面白い。例えば、背中の入れ墨の経緯について五社が関係者に語った話がどれもバラバラで、実は全部嘘という! そんな虚実入り乱れた五社の人間像を関係者の証言・当時の資料を紐解きながら炙り出していく。五社の作家論的な側面での面白さも勿論だが、映画斜陽期を駆け抜けた男の波乱万丈の物語は、映画を知らない人にも十分に楽しめるはず。