尖ってるけど、とんでもなく楽しい! 世界に散らばる『Σ』ミュージックのあれこれ
近年の倖田來未は元来の魅力である歌謡曲的な旨味を携えたまま、プロダクションにおいては攻めまくっており、USヒップホップ~R&Bから直送のエグいビートを乗りこなすその姿はREOLとも大いに重なる。はすっぱで姐御感のある歌いっぷりにも共通項が。 *澤田
持ち前のホラーな世界観にオリエンタル風味を揉みくちゃにして激走してみせた南アフリカのレイヴ・ラップ集団による最新作。“ギミアブレスタッナウ”から“宵々古今”に至る躁状態のお祭りモードと、地続きで楽しめる一枚です。 *山西
DJ SNAKE Encore DJ Snake/Interscope/ユニバーサル(2016)
REOL作品に息づくEDM経由のポップス志向は、海外の現行ダンス・ミュージックと共振するもの。その理解をより深めるには、レディ・ガガとの仕事を契機に名を上げたフランス人DJが、ジャスティン・ビーバーもスクリレックスも招いて楽しくブチ上げる本作がオススメ! *北野
れをると同じく動画共有サイトを中心に活動してきた歌い手の彼女。R&Bからの影響を感じさせる歌声には先鋭的なポップスにも映える存在感があり、HyperJuice“City”への客演も納得だ。この初作にはれをる×ギガPが提供した、まさにREOL風と言えそうな“[A]ddiction”を収録。 *北野
ラップも難なくこなすれをるのヴォーカル・スタイルから想起したのが、GORGIO CANCEMIの薫陶を受けたこの若き才媛。トラップ調の“DON'T STOP”など直球でUSマナーのトラックと、スキルフルな歌&ラップが詰まったこの最新作は、REOLと地続きで楽しめるはず。 *澤田
“ギミアブレスタッナウ”のエレクトロ仕立てなサウンドやMVでの奇抜な姿に、彼女たちのことを思い出した人は多いはず。ディプロらとの絡みを経て今夏にUSデビューしたCLのソロ曲を含め、海外のトレンドに敏感な韓国ならではのポップスはREOLとのシンクロ率も高し! *北野
れをる名義に比べてラップの要素が増した点は、REOLの特徴のひとつ。“DetaramE KiddinG”などで聴ける鋭いフロウや個性的なファッションからは、ブリトニーからJ.Loまでと共演するラッパーの彼女や、同じく客演女王のニッキー・ミナージュが想起されたり。 *北野
3次元と2次元を行き交いながらメディアミックスで物語を展開していくダンス・ユニット。このデビュー・シングルでいうとTeddyLoidによる表題曲はもちろん、エレクトロ・トラップの“BANDANA”が放つブリーピーな光彩はREOLのヴィヴィッドな音世界に繋がっているように思う。 *轟
ラップと歌を行き来する小生意気そうなマイク捌きに、れをると似た匂いを感じる北欧の自作自演女子。かつてのOWSLA仕事と比べてギザギザ感が少し薄らいだこの2作目は、『Σ』のなかでも“ちるちる”にビビッときている青春エモ電子ポップ気分な方にオススメ。 *山西
“RE:”などでフューチャー・ベース的なアプローチを見せているREOLだが、彼もまた近作では同様の動きに挑戦。本シングルの表題曲ではSeihoを迎えて水滴音が瑞々しく響くドラマティックなビートをモノにし、続く話題の新曲“EXCITE”ではCarpainterを作/編曲に起用! *北野
ボカロPとしても名を馳せたゆよゆっぺが別名義で送るJ-Popのビキビキ改編ミックス。妄想キャリブレーションのプロデュースも手掛ける彼の横断ぶりは、もはや〈ネット発〉もEDMもラップも特殊なタグではなくなった時代のポップス像を体現する。 *轟