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HISTORY & DISCOGRAPHIC KEIICHI TOMITA
冨田恵一のこれまでの歩み

★62年6月1日、誕生

★88年、KEDGE名義のアルバム『COMPLETE SAMPLES』をリリース

遊佐未森の94年作『アルヒハレノヒ』(ソニー)。本作より外間隆史との共同名義でアレンジに携わる

 

★96年、MOVES名義のアルバム『MOVING TRACKS』をリリース

★97年、初めて〈プロデュース:冨田恵一〉とクレジットされた作品、キリンジのファースト・シングル『キリンジ』(NATURAL FOUNDATION)がリリースされる

キリンジ ペイパードライヴァーズミュージック ワーナー(1998)

堀込兄弟時代のキリンジ作品は、ファースト・シングルから5作目までをプロデュース。ふくよかなアンサンブルで70年代のAORサウンドを丁寧に再構築したこの初アルバムは、キリンジ自身と冨田、双方の名を広く知らしめる契機に。 *澤田

 

MISIA Everything ARIOLA JAPAN(2000)

情感豊かな王道のラヴ・バラードに冨田らしいセンシティヴなハーモニーを付与した盤石の仕上がりで大ヒットを記録したシングル。冨田の出世曲にして、その年を代表するJ-Popナンバーとなった。 *澤田

 

中島美嘉 TRUE ソニー(2002)

冨田がプロデュースした前年のデビュー曲“STARS”と5枚目のシングル“WILL”を収録した初作。いずれもストリングスをあしらったロマンティックなバラードで、どこか儚げでアンニュイな主役の歌い手としてのキャラクターを確立させた作品と言えるだろう。 *澤田

 

平井堅 Ring ARIOLA JAPAN(2002)

冨田がプロデュースを手掛け、平井が作詞/作曲を担当したシングルとしては初のオリコン1位を獲得。ストリングスなどをフィーチャーしたアンサンブルで彩られた普遍的なバラードで、間奏でのゴスペル的な展開も印象的だ。 *澤田

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冨田ラボ Shipbuilding ユニバーサル(2003)

松任谷由実をはじめ、当時ソロとして再出発したばかりのハナレグミ畠山美由紀らを迎えてのファースト・アルバム。デビュー時から携わってきたキリンジや、MISIA中島美嘉平井堅などの作品で印象付けてきたエレガントなサウンドをひとまとめにし、舵を取る客船の骨組みをがっちりと作り上げた。 *久保田

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冨田ラボ Shiplaunching ソニー(2006)

めでたく〈進水式〉を迎えた船には、船長憧れの高橋幸宏大貫妙子も搭乗。当時のニューウェイヴ・リヴァイヴァルともシンクロするシンセ・ビートを随所に挿入しつつ、SOULHEAD山本領平YOSHIKAといったR&B系シンガーを積極的に起用。2000年代における和製ブルーアイド・ソウルの傑作とも言える。 *久保田

 

冨田ラボの2006年のライヴ映像作品「Tomita Lab CONCERT」(ソニー)。2006年3月に『Shiplaunching』のリリース記念で開催されたSHIBUYA-AX公演の模様を収録したもので、アルバムに参加したアーティストが多数集結

 

コミック「昴 -スバル-」の2009年のトリビュート盤『トリビュート・トゥ・昴-スバル- ~バレエ・ダンス編~』(rhythm zone)。映画化された際の冨田ラボによる劇伴も収録

 

冨田ラボ Shipahead rhythm zone(2010)

佐野元春を迎えたサザン・フィーリングの “ペドロ~消防士と潜水夫”を冒頭に置き、快調に波を分けていく船上でもてなすラグジュアリーなショウタイム。吉田美奈子一十三十一安藤裕子といったキャラの立ったシンガーたちにも負けない煌びやかさを放つ冨田サウンド、その強さを改めて知ることができる。 *久保田

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冨田恵一名義でプロデュースした2010年までの代表曲をまとめたワークス・ベスト『冨田恵一 WORKS BEST~beautiful songs to remember~』(rhythm zone)。坂本真綾を初めてフィーチャーした“エイプリルフール”はいまのところ本作のみで聴くことができる

 

★2011年、『冨田恵一 WORKS BEST ~beautiful songs to remember~』のリリースを記念して、Blue Note Tokyoにて5年ぶりの公演を開催。坂本真綾、秦基博birdHiro-a-keyがヴォーカリストとして参加した

冨田ラボ Joyous スピードスター(2013)

〈フィーチャリング〉自体もテーマだった過去3作とは角度を変え、自身と4人のシンガーによるユニット感覚で作ったという4作目。原由子横山剣椎名林檎さかいゆう――この4人が一同にマイクを並べた2曲はやはり聴きどころで、“都会の夜 わたしの街”を作詞した坂本慎太郎との邂逅もハイライト。 *久保田

 

ドナルド・フェイゲン『Nightfly』を250ページかけて解説した冨田恵一の2014年の著書「ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法」(DU BOOKS)

 

★2014年、Billbord Live Tokyoにて〈作編曲SHOW〉を開催。ひとつの楽曲の完成までの過程をオーディエンスの前で披露したこの公演は、そのまま『SUPERFINE』のレコーディング初日となった

bird Lush Village hi-fi(2015)

birdと冨田が2人だけで作り上げた衝撃作。いわゆるロバート・グラスパー以降のビート・アプローチに対する冨田の興味が象徴的に表れた作品であり、冨田ラボの新作との連続性も強く感じられる一枚だ。 *澤田

 

2016年9月より3か月連続でリリースされた『SUPERFINE』からの先行7インチ『Radio体操ガール/雪の街』『冨田魚店/鼓動』『ふたりは空気の底に/荒川小景』(すべてスピードスター)

 

★【PEOPLE TREE】 冨田ラボ Pt.2 SuchmosのYONCEやコムアイら若手シンガー起用して大胆にリニューアルした姿見せる新作『SUPERFINE』を語る