コモンの2年ぶりとなるニュー・アルバムはケンドリック・ラマービヨンセらと同じく、絶えることのない黒人への人種差別問題に対して全米各地に広がった抗議活動〈Black Lives Matter〉にインスパイアされた内容で、奇しくも大統領選挙に合わせてのリリースとなった。ダークなジャズ調のトラックに乗せてシリアスかつポジティヴに綴られるタイトル曲ではスティーヴィー・ワンダーをゲストに迎え、ジェイムズ・ブラウンの声をサンプル。同曲を筆頭に、黒人社会の直面している現状を悲観するだけでなく新たなストーリーを作ろうとする主役の力強いラップと、ジョン・レジェンドビラルBJ・ザ・シカゴ・キッドシド・ザ・キッドといったシンガー勢の客演、そしてドラマーのカリーム・リギンスが中心となったジャズ~ソウルを基調とするサウンド面の効果もあって、今作の主題がより生々しく伝わってくる。リリースに合わせては表題曲のショート・フィルムも公開済み。