オルガン・トリオの発展系、と言えるキーボーディスト、フランク・ヴェステ・トリオの最新作。ベン・モンダー(g)、ジャスティン・ブラウン(ds)の三人に、ゲストにヴォーカリストのユン・サン・ナなど、いくつかの楽器が加わる。このエレクトロなトリオになぜ、ユン・サン・ナなのか、アリアのように盛り上がる曲の構成とこのジャズのアウトサイダー的シンガーのコラボは、このアルバムの白眉とも言えるが、特異点である。しかし、全体に不思議な曲を書く人だなと思う。ピアノ、フェンダー・ローズをセンターに組み上げられたアンサンブルの聞きなれたはずの響が、新しく響くのはオーケストレーションのアイデアによるのだろうか、面白い。