Xデーをどれくらい待った? 3年半ぶりのマイケル・ジャクソンは、聴く者を未知=Xの境地へと誘う。その歌から伝わる快い興奮をじっくり体験してみよう!!
コンテンポライズされた“Love Never Felt So Good”の仕上がりを聴いて、思わず快哉を叫んだ人は多かったのではないだろうか。それぞれのリスナーが初めて聴いた瞬間においてはもちろんのこと、リリース前に行われた試聴会でもそんな雰囲気だったし、それは恐らくキュレーターを務めたLA・リードにとってもプロジェクトを前進させる大きな確信に繋がったはずだ。
マイケル・ジャクソンほどの存在になると単に曲が良いとか悪いとかいう話ではなくなる。語弊のある言い方をすれば、曲そのものの云々よりも、現象のサウンドトラックであることが必要とされてしまう。『Thriller』以降のマイケル自身は最後の瞬間までそういう立場に居続けたわけだが、それは、幸か不幸か、現在でも同じことなのだ。結論を言ってしまえば、2014年にリリースされるマイケル・ジャクソンの楽曲として、“Love Never Felt So Good”以上のものはなかっただろう。そんなムードの漂うままに登場したのが、およそ3年半ぶりとなるアルバム『Xscape』だ。