ジョン・ビーズリーとは対局的なビッグバンドとして、優れて伝統的な存在感を増してきたマクブライド。若い世代への音楽オルガナイザー的な行動も近年は目立ってきた。かつて、レイ・ブラウンもそうした動きをした時代もあったが、マクブライドはベース奏者としての実力の発揮と共に、伝統に根ざしながらも新しい音楽的な要素を採り入れてきた。本作は純ジャズ・ファンへの彼からの答えだろう。題材、採り上げ方も現代は様々なビッグバンドが存在し、初めにバンドの形態ありきではなくて、表現したいことに対応しながら形態を変えるミュージシャンも多い。ジャズ史が詰まった丹念なつくりだ。