クリスチャン・マクブライドの新作は公民権運動を主題とした、4人(ローザ・パークス、マルコムX、モハメド・アリ、キング牧師)の「アイコンへの、そしてアメリカの象徴的な出来事への音楽トリビュートだ」。4人のメッセージの朗読、ローザ・パークスが語るマルコムXとキング牧師、マルコムXが語るモハメド・アリ、それぞれに捧げられた楽曲という構成で、壮大な内容とその熱量は圧巻だ。1998年に作曲依頼され、数回の公演を経て制作を継続し20年の時を費やして本作を完成させた苦労は並々ならぬものであったろう。社会の分断化が進むなかで、本作の試みは素晴らしいものだ。