2018年になり、やっぱり昨年のベスト・アルバムだったな、と思い直したアレックスGの『Rocket』。LPで買い直して聴いてたんですが、これはこれで違った良さがありますね。ゲートフォールドなのに1LPなところも自分の最新作LPと一緒で勝手に喜んだりもしてました。同一タイトルを別フォーマットで購入することはままありますが、半年くらい時間を空けて聴いてみるのもおもしろいですね。そんなわけで初めてCDで聴いたのが10年前になるあの名盤のリイシューの話題から。
廃盤のCDは中古店で見つけたら迷わず買えとすべての人に伝えたい、J-Popメロウ・グルーヴ史に燦然と輝くクラシックがなんとLP化。自分的にはある意味デジタル感あるドライな出音も魅力の作品だったのでアナログで聴くとどうなるか楽しみです(予約済み)。世代的には自分も後追いなのですが、歴史的重要作との見解を他の若手からあまり聞かないので知らなかった方々にはぜひチェックしていただきたい。5年前の本連載初回でも紹介していた具島氏ですが、このファースト・アルバムからAOR、シティー・ポップと安直な括りで括ってしまって良いのかと思う絶妙なバランスです。すべてに漂うドライで絶妙なヴォーカルの孤独感、いまシティー・ポップと言われているものとは少し違った目線。シンプルさゆえの切なさみたいなものは現在も替えが利きません。DJにも大人気の“CANDY”(KC氏による大人気のリミックスも本年の〈レコード・ストア・デイ〉で再発……!)などに目線が行きがちですが、最近パーティーの締めにチャンスがあれば本作収録の“今を生きる”をプレイしています。なんていい曲なんでしょうか。
76年にまったく無名のUSのアーティストが200枚だけ作ったという珍盤をリイシューしたもので……と紹介するのは簡単ですがこれがメチャクチャ良いんです。教わったときには〈もうどこにも在庫がない!〉と探しまくって買ったのですが、いま〈tower.jp〉を見たらどうやら在庫があるんです。これを読んだあなたはラッキー。深いことは考えずにすぐ買ってください! KORGの〈ドンカマ〉という元祖リズムマシーンとそぼ弾かれるオルガン。シンプルながら目の前の自分に歌われているような仕上がりが染み渡ります。実際そんな気持ちで作ったレコードだからこそ、かもしれません。
tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。m-flo、大比良瑞希、藤井隆、平井堅、堀込泰行、NGT48らの楽曲を手掛けるほか、TVドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」の主題歌となった“ふめつのこころ”も好評リリース中! また、モーツァルト役で参加するシリーズの最新作『クラシカロイド MUSIK Collection Vol. 6』(ムービック)も登場したばかりです。この後もトピックが控えている様子につき、〈tofubeats.persona.co/〉にて最新情報をチェックしておきましょう!