インタビュー

カーネーション『The Very Best of CARNATION “LONG TIME TRAVELLER”』 地図のない獣道を歩むバンドの35年を振り返る

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絶妙な匙加減の音楽性を支える隠し味は……?

 ここではカーネーションに影響を与えた音楽を振り返ってみよう。バンドがデビューした時によく引き合いに出されたのがXTCで、“Making Plans For Nigel”をカヴァーしたことも。また、彼らはトッド・ラングレン“A Dream Goes On Forever”もカヴァーしており、実験性とポップさが渦巻く『Parakeet & Ghost』は、トッドの『Wizard A True Star』に通じる手触りがある。こうしたマニアックな音楽性を持つアーティストの頂点にいるフランク・ザッパも直枝の大好物。ザッパの『One Size Fits All』について、直枝は「洗練とキワモノっぽさが絶妙」とコメントしているが、それはカーネーションにも言えることだ。

 直枝にとって重要なアーティストといえばボブ・ディランで、取材時、直枝は「いちばん胸に響く音楽」と語っていた。シンガー・ソングライターでは、エリオット・スミスにも大きな影響を受けたという。さらにソウルも重要な要素で、90年代にはキャンディ・ステイトンやタイロン・デイヴィスなどをよく聴いていた彼。2011年の震災直後、ふたたび音楽に向き合うきっかけになったのは、ラジオから聞こえてきたスティーヴィー・ワンダー“Down To Earth”だったそうだ。

 メンバーが3人になった時、直枝がバンド・サウンドの参考にしたのはアレックス・チルトン『Loose Shoes Tight Pussy』。2人になってからは、同じく2人組のスティーリー・ダンのようにアルバムごとでゲストを招くレコーディング方式になったが、スティーリー・ダンと比べるなら、緻密に音を作り込む後期より生っぽい初期。ライヴでは“Brooklyn”をカヴァーしたこともあった。とにかく枚挙に暇がない〈カーネーションの素〉。彼らの音楽を聴くと、レコードを買いに行きたくなって仕方ない。 *村尾泰郎

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