ベートーヴェンとシューマンに続きパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルがドイツ・シンフォニーの真髄を問う、ブラームス・プロジェクトのCDリリース第3弾。今作も徹底したスコアの読みと解釈により、甘さを排した新時代に相応しいブラームスに仕上がっている。各楽器セクションの統率は完璧で、「ブラームスのDNAは室内楽にある」というパーヴォの思想通り、管弦楽ならではの劇的な表現と室内楽的な細やかさ、明晰さ、見通しのよさといったものを見事に両立している。その巧みさのあまり、モーツァルト時代の有名なオーケストラ評「将軍たちで編成された軍隊」を思い出した。
パーヴォ・ヤルヴィ、ドイツ・カンマーフィルハーモニー 『ブラームス: 交響曲第3番&第4番』 甘さを排した新時代に相応しいブラームス
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