リズムとビートの嵐とともに奴らが再び日本へ! 

 世界最速最強のジプシー・ブラス・バンド、ファンファーレ・チォカリーアがふたたび日本にやってくる。彼らの名が世界的に知られるようになってから20年以上。これまでに5回の来日を果たし、2014年にはフジロック・フェスティヴァルへも出演した。

 彼らの持ち味はメンバー一丸になったときの強烈なグルーヴと一糸乱れぬユニゾン。哀しみと喜びが混ざり合ったメロディも人気の秘密だが、最新作にあたる2016年作『火星へGO!』ではヒップホップにも挑戦。オリジナル曲が半分を占めるなど、常に前進を続けてきたバンドでもある。

 そんな彼らの本領はやはりライヴ・パフォーマンスの場において発揮される。圧倒的な音の渦に巻き込まれる快感は、実際に体感しないことには分からない類のもの。流行や時代性を追いかけていくのも確かに音楽の楽しみ方のひとつではあるけれど、ファンファーレ・チォカリーアのパフォーマンスを観ていると、それらを超越したところで鳴り響くものに身を預けるのもまた、音楽の楽しみ方であることに気づかされる。

 なお、彼らのウェブサイトにアップされているツアー・スケジュールを見ると、数か月ごとにかなりの本数のツアーが組まれていることが分かる。今年に入ってからもヨーロッパ各地を細かく周り(しかもほとんどの公演がソールドアウト)、6月から7月にかけてはふたたびヨーロッパをツアーし、その流れで日本でもショート・ツアーを行う。今回は5か所の単独公演に加え、〈ジャズ・ワールドビート〉〈大ブラス・フェスティバル!〉という2つのイヴェントにも出演。こちらではジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド、たをやめオルケスタという2バンドとの共演も。ジプシー音楽の担い手としてだけでなく、ブラス・バンドとしてのファンファーレ・チォカリーアの迫力を再認識する機会ともなるはずだ。いずれの公演でも、現役バリバリのツアー・バンドならではのフレッシュな演奏を披露してくれることだろう。

 考えてみると、ルーマニア北東部の寒村であるゼチェ・プラジーニという(日本から見ると)最果ての地で活動していた楽団の公演をコンスタントに観れるということ自体、ちょっとした奇跡のようなものである。その意味では、我々日本人は実にラッキーなのかもしれない。その恵まれた環境に感謝しつつ、彼らが奏でる狂乱のグルーヴに身と心を委ねよう。

 


LIVE INFORMATION

ジャズ・ワールドビート2019
○7/6(土)
会場:めぐろパーシモンホール
■大ホール
17:00開演(16:15開場)20:00終演予定
出演:ファンファーレ・チォカリーア/ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド/たをやめオルケスタ ほか
■小ホール「アフタヌーン・サロン・ジャズ」
13:30開演(13:00開場)16:15終演予定
出演:藤本一馬&伊藤志宏 Duo/白崎映美 with 伏見蛍/Tokyo Romany(Nourah with Otoji+Ray、Takseema)/nouon Unplugged(山田あずさ、Kevin McHugh、大石俊太郎)

http://plankton.co.jp/jazz2019/

大ブラス・フェスティバル!
ファンファーレ・チォカリーア & 2ビッグ バンド 
~たをやめオルケスタ、Gentle Forest Jazz Band~

○ 6/30(日)16:00開演 (15:30開場)
会場:よこすか芸術劇場
出演:ファンファーレ・チョカリーア/たをやめオルケスタ/Gentle Forest Jazz Band
ゲスト:ノーラ(ダンサー)

ファンファーレ・チォカリーア 来日ツアー2019
○6/29(土)16:00開演(15:30開場)会場:船橋市民文化ホール
○7/2(火)19:00開演(18:30開場)会場:えずこホール(仙南芸術文化センター)
○7/4(木)19:00開演(18:30開場)会場:武蔵野市民文化会館 ゲストダンサー:Nourah
○7/7(日)17:00開演(16:30開場)会場:穂の国とよはし芸術劇場プラット
○7/8(月)1st Stage 18:30開演(17:30開場)2nd Stage 21:30開演(20:30開場)会場:Billboard Live OSAKA
○7/9(火)19:00開演(18:30開場)会場:兵庫県立芸術文化センター

plankton.co.jp/fanfare/