左から、水野優也、大友直人(C)Rowland Kirishima

 

大友直人×読響によるドヴォルザーク2大名曲に、期待のチェリスト水野優也が登場!

 お正月気分も抜けてクラシック・シーンが本格的に始動するのは、概ね1月の半ばから下旬あたり。華やかなニューイヤー・コンサートのムードにも区切りがついて、そろそろしっかりとしたクラシックらしい作品をじっくりと聴いてみたくなる時期でもある。そこでオススメするのが、めぐろパーシモンホールが主催するフレッシュ名曲コンサート/春のコンサートだ。

 〈コンサート〉という名が連なっているのは、東京都歴史文化財団が都内各地の団体と提携して開催している〈フレッシュ名曲コンサート〉というプロジェクトの中で、パーシモンホールが独自に手がける企画がこの〈春のコンサート〉だから。2005年にはラザレフの指揮で行われていたので、すでに10年以上もの歴史を刻んでいるオリジナル企画である。このシリーズは、〈一流オーケストラによる演奏で、名曲を手頃な料金で楽しんでもらおう〉という〈フレッシュ~〉の趣旨の通り、名曲中の名曲を並べたプログラム(今回はドヴォルザークを2曲)とチケットが格安である点が特徴だ。

 しかし、何よりも注目したいのは出演する若手ソリストである。パーシモンホールというと、2007年から〈未来の音シリーズ〉を展開しているように、新進気鋭の若手演奏家を積極的に支援し、演奏の場を提供していることでも知られている。〈春のコンサート〉もそのポリシーに沿っていると言えるだろう。こういうと、〈でもまだ学生や卒業したてでしょ?〉とお思いになる方もいるかもしれないが、その考えはもう古い。昨今、若くして音楽を十分に表現し、さらには聴衆を唸らせるほどの実力を持っている奏者は少なくない。

 今回登場するチェロの水野優也もそのひとり。以前から真摯に音楽へ向かう姿勢と、それに伴う優れた才能と技術が注目されており、16歳で参加した2014年の日本音楽コンクールでは第3位、翌年の第13回東京音楽コンクールでは弦楽部門で第1位に輝いた。2016年春からは特待生として大学に進学。現在2年に在学中でありながら、財団からのバックアップや、作曲家の細川俊夫が主宰する武生国際音楽祭にも招かれるなど、高く評価され、すでに次代を担うことが約束されたチェリストである。これから頻繁にその名を目にするであろう彼が、チェロ作品の中でも最高峰ともいえるドヴォルザークのチェロ協奏曲を、現時点でどのように聴かせてくれるか、なんとも興味深い。

 指揮には、若手の育成と共演に多くの経験を持つ大友直人が、〈春のコンサート〉に初めて登場。水野への万全のサポートに併せ、《新世界》交響曲ではベテランの味を聴かせてくれるはずだ。

 


LIVE INFORMATION

《フレッシュ名曲コンサート》めぐろパーシモンホール 春のコンサート
○2018年2/3(土)15:00開演
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
出演:大友直人(指揮)  水野優也(vc)  読売日本交響楽団
曲目:ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104/ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
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