いまや多くのリスナーが新作の到着を気にする存在となったネバヤン。でも本作を聴く限り、そんな状況などどこ吹く風。スティールパンのトロピカルな音色が軽やかに舞う“Let's Do Fun”やジャクソン5を思わせる小気味良いギター・カッティングがにこやかに躍る表題曲をはじめ、〈余裕綽々〉な感覚を音像化することに打ち込む彼らが見えてくる。うららかなコーラスが効果的な先行シングル“うつらない”などできるだけ音数を削ぎ落とし、ミニマルなグルーヴを追求することもひとつのテーマだったようだが、サウンドはいっそう温かみや味わいが増すなど新鮮さと深みの両方を獲得してしまうという素敵な結果に。何よりも自分に嘘偽りない音を鳴らしている、ってことを強く印象付ける作品だ。