And Yet It Moves! 6人の集大成を示す最凶最悪最高最幸のニュー・アルバム『CARROTS and STiCKS』は、パブリック・イメージを超えてその先へと進む!

 4月1日の情報解禁から始まり、凶悪さを強調した4月の『STiCKS』、キャッチーさを追求した5月の『CARROTS』という各4曲入りの配信EPで己の備えた二面性を表現しつつ、全国14か所21公演を回る全国ツアー〈LiFE is COMEDY TOUR〉で新曲を段階的に披露……と、3か月に渡って〈#BiSHアメトムチ〉プロジェクトを推進し、あらかじめ告知された7月3日のニュー・アルバム『CARROTS and STiCKS』へと向かってきたBiSH。その過程では『BiSH CARROTS and STiCKS??』なる299円の廉価盤を先行リリースしたかと思えば、その中身がbeat mints boyz(サウンド・プロデューサーの松隈ケンタとWACK代表の渡辺淳之介によるコンビ)の歌うフェイク音源だったり、人を食ったような企ても巧みに織り交ぜながら本丸への期待を最大限に盛り上げてきました。そうしてついに完成を見た『CARROTS and STiCKS』は、先行EP曲も含む全14曲入り。賑やかな話題もプロモーションもすべて作品の出来あってこそですが、アルバムはそんな前提を余裕で上回る圧倒的な内容になっています。

BiSH 『CARROTS and STiCKS』 avex trax(2019)

 

EPとツアーを振り返って

――今回はEPでアルバムの内容を明かしながらツアーを連動させていく試みでしたけど、4月に始まったその〈LiFE is COMEDY TOUR〉自体もいつもと違う趣向になっていますね。

セントチヒロ・チッチ「コントでスタートするライヴは初めてで、コントってやっぱり笑いを届けるものなんで。ライヴの中で一瞬でも笑顔を提供できるツアーになったらいいね、みたいな。〈笑顔〉っていう共通のワードは私たちの中にあります」

ハシヤスメ・アツコ「はい。昨年末に幕張メッセでライヴさせていただいた際に、社長の渡辺さんにソロ・デビューを直談判してOKを貰えたので、今回は私のソロ曲の振付けをツアー中に完成させようっていう流れで、各地を回りながら振付けが少しずつ出来ていってるところです。ファイナルで完成すればいいなっていう感じで作ってはいます」

――ツアー初日を拝見しましたが、ライヴ本編が始まる前にハシヤスメさんがメインになって回す時間が長いですね。

アツコ「ソロ曲の披露も含めて、だいたい20分ぐらいかな。プレッシャーがあります」

――でも、ソロも〈あ、ホントにあるんだな〉って嬉しかったですね。

アツコ「ンフフフ。そうですね。ツアーで全国にハシヤスメのソロ曲を撒き散らしていってて、けっこう中毒性があり、お客さんも自然と口ずさんでるようなので、皆さんの〈聴きたい〉っていう声が多数であれば、何かの形で出るんじゃないかな?って思います」

――楽しみにしています。で、そうやってコント始まりなので名前通りにコメディー感の強いツアーかと思ったら、特に『STiCKS』の楽曲に関してはパフォーマンスも尖った表現でやられていたり、いままでと違う見せ方もあって。ツアー中に曲が増えていくという経験はどんなものでしたか?

アイナ・ジ・エンド「歌を練習して、振り落としして、みんなと練習して……もう、こんな大変なの初めてっていうぐらい、シンプルに覚えることが多かったです。あと、EPは両方とも色が全然違うので、心構え的に『STiCKS』の曲は自分の中にある反骨精神だったり、闇の部分とかも引っ括めて表現に昇華してたんですけど、そこから明るいほうの『CARROTS』になると心の変化が激しくて、コントロールするのが大変だったりしました」

――やってない表現みたいなものもあって。

アイナ「そうですね、“FREEZE DRY THE PASTS”では椅子を使ってみたり、照明さんとの照らし合わせとかをしっかりゲネプロからやることもあまりないから、そういうのも初めての経験でした」

――ツアーの初日で『STiCKS』の4曲を初披露された際、お客さんもショッキングで静まり返ったというか、〈怖い……〉みたいな(笑)。

チッチ「アハハ」

リンリン「“FREEZE DRY THE PASTS”のああいう見せ方とかは初めてだったので、最初に振りを撮って見直した時に〈これ、ライヴでやってカッコ良くなるかな?〉って不安だったんですけど、衣裳を着て照明が当たってやったら、そこでやっと完成された感じがして。だから初日は、曲が終わって拍手がきた時に〈ああ、良かった~〉って安心しました」

アイナ「“FREEZE DRY THE PASTS”はリンリンにメインで踊ってほしかったので、リンリンがいちばん表現しやすい内容として振付けの原点は〈共依存〉をテーマにしたんですけど、私の中ではポジティヴに〈死なないでほしい〉みたいなメッセージを表現したかったんです。例えばライヴのMCとかで〈生きろ!〉とか命令形で言われても〈じゃあ、どうやって生きたらいいんだ?〉ってたまに思ってしまうことがあるので、“FREEZE DRY THE PASTS”では〈落ちるところまで落ちたら人はこうなるんだよ〉とか〈ほら、生きてるほうがマシでしょ?〉って伝えたくて」

――逆に言うみたいな。

アイナ「はい。〈あ、死んだらいまより怖いところに行っちゃうのかな? じゃあ生きなきゃ〉って。だから〈怖い〉っていう反応は、手応えがあって嬉しいです(笑)」

――『STiCKS』でいうと、“優しいPAiN”のくたびれたパフォーマンスに妙な不安というか気味の悪さを感じました。

アイナ「うん、気持ち悪い、むずがゆいというか(笑)」

――一方、5月からは『CARROTS』の曲を披露されてきて、こちらはどうですか?

アイナ「お客さん的にライヴでは手を上げれたりするほうが楽しいのかな?って改めて気付かせてもらえたし、やっぱ盛り上がってくれますね。モモカンが作詞した“まだ途中”はモモカンが曲前にMCしてから始めたりするんですけど、そのMCが凄い良くて曲がもっと入ってくるし、ライヴでやると曲が呼吸してるような感じがして、いいなって思います」

――モモコさんは“まだ途中”をどういうイメージで作詞されたんでしょう。

モモコグミカンパニー「これはまっすぐ生きてる人、生きようと思ってる人への応援歌として書いて。普通に自分のやりたいことを貫くのが難しい人が多いんじゃないかな?って思って。周りの評価を気にしてしまったりとか、地道に一人でがんばるのって凄い孤独だけど、絶対に見てくれる人はいるから諦めないでほしいってメッセージを込めました」

――勝手な感想ですけど、モモコさんの詞はあまのじゃくな感じが薄れたというか、言葉が遠回りしなくなった気がします。

モモコ「ああ、たぶん『CARROTS』の曲だからというのもあるんですけど、“まだ途中”は曲調がホントにまっすぐで、明るくなる歌詞を書きたいと思ったのもあって、着飾るような言葉をあんまり入れないで、素直に書きました」

――ちなみに、歌詞を書いたり歌を録ったりしてる時点で、EP用とアルバム用の振り分けとかは決まってたんですか?

チッチ「『STiCKS』に入る曲はわりと最初から決まってて、『CARROTS』とアルバム曲は決まってないのが多かったです」

――そうなんですね。で、アルバムに向けてbeat mints boyzのフェイク盤『BiSH CARROTS and STiCKS??』もありましたが、こちらは聴いていかがでしたか?

チッチ「歌う人が違うだけで全然違う曲みたいだなって」

アツコ「歌い方とかの違いはあるんですけど、歌詞だったりメロディーは一緒なので、何か考えさせられました。BiSHで歌うヴァージョンと、あのお二方のヴァージョン……」

――BiSHのほうが良かった?

アツコ「ウフフ。ん~、〈はい〉と言いたいですけど」

アイナ「え?」

アツコ「言っていいんですかね? はい、はい(笑)。良かったです。でも、“アイデンティティ”とかサビを2人で歌ってて、〈こういうのもアリだな〉〈男声で歌ってるのもいいな〉って思いましたね」

――そういう聴き比べも含めて、良い遊びだと思います。

チッチ「良い着火剤(笑)。これきっかけで興味を持ってもらえたり、アルバムへの期待を高めてくれたなら良かったなって」

 

できることすべてを出し切ったアルバム

――そこでようやくアルバム『CARROTS and STiCKS』の話ですが、これは一言にまとめるとどういう作品でしょう。

アユニ・D「〈これがBiSHの全て〉……って資料に書いてある。この説明はチッチができます」

チッチ「投げられた(笑)。でも、まさにその通りで、いままでBiSHが身に付けてきたBiSHができることすべてを出し切ったアルバムだと思ってます。音楽の歴史の中でいろいろ当たり前なものがたくさんあって、それを壊してきた人が凄い伝説になるじゃないですか? ブルーハーツとかHi-STANDARDとか。そういう人たちみたいな存在にBiSHもなれたらいいなって思ってるんですけど、今回のアルバムは〈BiSHの当たり前〉をブチ壊した一枚になってて、〈BiSHってこういうものだ〉っていま抱かれてるイメージもそうだし、いまの音楽、ロックの世界とかフェスの中の状況とか、すべてをブチ壊せる一枚だと思ってて、“遂に死”もそうだし、“FREEZE DRY THE PASTS”もそうだし、気味悪い部分を持ちながらも、同じ作品の中に凄く優しい曲もあったりとか、ちょっと懐かしい気持ちになる曲もあったりとか、こんなに振り幅が広い曲を一枚に入れられる人ってなかなかおらんのじゃないのかな?って」

――確かにEP2作の振り幅もデカかったけど、アルバム全体ではさらにそうなってますね。

アイナ「ジェットコースターみたい(笑)」

チッチ「聴く人もついていくの大変かもしれないけど、いまBiSHができることを詰め込んだ、最強なアルバムだと思ってます」

――はい。現時点での集大成ということですね。ではアルバムの新曲についてですが、まず、オープニングの“DiSTANCE”がMVもあるリード曲ということで。

アイナ「『CARROTS and STiCKS』の14曲の中ではラスボス感があって、私は凄い好きなんですけど、たぶん全曲を聴いた人はこれがラスボスだって思うんじゃないかな。誰もが認めるリード曲だと思います」

――この曲を筆頭に、JxSxKさんの作詞が凄く多いというか、前作『THE GUERRiLLA BiSH』と比べて今回は皆さんの作詞が減りましたね。

アイナ「本気のアルバムなので、JxSxKさんも気合いがモリモリで」

チッチ「書きたくなっちゃったんだと思います」

モモコ「うん。書きたくなっちゃったっていう気持ちが凄い出てる気がする(笑)」

アイナ「メンバーも書いたんですけど、やっぱり渡辺さんには敵わんくて、全員書いたけど不採用になった曲とかもあります」

――今回はどこか作詞した方の寂しさが伝わってくるような雰囲気を感じました。

アイナ「ああ、凄いですよね」

チッチ「渡辺さんってその時の感情で書くこともあれば、曲の世界に寄り添って誰かになりきって歌詞を書くのも凄い上手なんですよ。それが今回凄い活かされてるんじゃないかなって思うんですけど、すべてを通して、何か、光を掴みきれてない感じが渡辺さんっぽいし、BiSHっぽいなって思いましたね」

――そうですね。TVアニメ「FAIRY TALE」のオープニングテーマになる“MORE THAN LiKE”もめちゃくちゃキャッチーで良い曲ですけど、やっぱりちょっと寂しそうで。

チッチ「何か切ないですよね。オケだけでも切ないのに、歌詞が混ざるとそれが凄く増して、ズサズサ刺さりそうな歌だなって思うし、ライヴでやったらまた変わるんじゃないかなって。これはまだ歌詞が付いてないデモを聴いた時に、初めて“オーケストラ”のメロディーをもらった時の感覚になったんですよ。“オーケストラ”みたいに愛される曲になったらいいなって凄い思ってます」

――そんななかでモモコさんは“CHOP”を作詞されています。

モモコ「“CHOP”はデモを聴いて、これならスラスラ書けるって思って、頼まれてないのに締め切りより前に送っちゃって、それで決まりました。曲調的には『STiCKS』に入りそうなディストーションのかかった感じですけど、そこまで鋭いとか暗いイメージでもないから、中間みたいな位置というか」

――デモの段階から、こういうデジロックみたいな感じだったんですね。

モモコ「そうです、ガチャガチャしたうるさいオモチャ箱みたいな感じで、〈あ、何かBiSHの楽屋っぽいな〉って思ったんですよ(笑)。あの、カラフルで楽しそうでポップな感じもあるので、テーマ的にはBiSHの楽屋って感じになりました。6人がいて、好き勝手やってて、周りは敵ばっかりのような気がして、息しづらいな、傍から見たら楽しそうなんだろうな、でも最後みんな一緒に笑えたらいいな……みたいな願いも込めております。凄い楽しい曲になったと思います」

――さらにリンリンさんが“O・S”を作詞されています。これは〈オー・エス〉?

リンリン「〈オーバーソウル〉です。『シャーマンキング』っていうマンガの術?みたいなものなんですけど。そのマンガのキャラクターがめっちゃ良い人ばっかだから自分のダメなところがいっぱい見えてきて、そこで感じたことを書きました。前に“S・H・i・T”の時にも、同じようなことを伝えたい歌詞を書いてダメだったんですけど、でもいまいちばん書きたいことだったんで、また書きました」

――こだわりのテーマだったんですね。で、さらには“アイデンティティ”です。

アツコ「アメでもなければムチでもない、アルバムではちょうど中間、色で言うと灰色な曲かなって思ってます」

アイナ「歌詞が凄い好き。〈クソみたいな世界 素手でなんとか壊してみたい〉って、作り上げてきた世界を壊すのって勇気のいることだけど、そうしないと新しいものが見えなかったりするから、この歌を歌ってる時とかは自分が自分に勇気もらってる感覚になります」

チッチ「私これ、〈タラララッ、タラララッ〉って音の入るアレンジがめっちゃ好きで、凄い好きだからがんばって歌ったけど、思ったようにできなかった(笑)。実はこの曲だけ少し前に録ってたんですよ」

アツコ「去年とかだったかな?」

――そうなんですね。で、ラストに問題作というか、渡辺さんが初めて作曲もされた“GRUNGE WORLD”ですね。

チッチ「問題作(笑)」

モモコ「そんな位置付け」

チッチ「“GRUNGE WORLD”は歌うのが凄い難しくて、1番と2番でAメロが全然違うんですよ。その2番の部分を渡辺さんが凄いこだわって作ってたので、自信作というか特にお気に入りみたいなんですけど、難しかったぶん凄いカッコイイ曲になって。“Life is beautiful”でもやったシャッフル・ビートで、ラップみたいな歌い方を初めてちゃんと本格的にやれて、これもBiSHの新しい表情になったかなって思います。懐かしい感じもあるので、この曲はおじさんとかもたぶん好きだと思うんですよ。おじさんって言ったらアレですけど(笑)」

――(笑)BiSHのアルバムは毎回ラストの曲が特に大事な印象ですけど、これが最後にあることによって良い後味がします。

チッチ「はい。ちょっと力の抜けた感じが他の曲にはないので、そこが良いポイントになってるなって。夏にピッタリの感じもするので、このアルバムが出て夏を共に過ごしてくれたらいいなって思います」

 

次の大舞台へ向けて

――このリリースと同時にツアー・ファイナルを迎えて、その後は夏フェスのシーズンになるわけですけども、去年と同じくまたいろいろ出演されますね。

チッチ「はい。またたくさん出していただくんですけど、前の年に引き続き呼んでもらえたフェスも多くて、それは去年の夏のBiSHが少しでも刺さったからかな?って思えたので、今年ももっと爪跡を残せるようにしたいです。私たちって外側に放つ力はあるのかなって思うんですけど、引力のあるライヴをできるバンドって長く生き続けてると思うので、BiSHも初めましての人を引き付けるようなライヴをできたらいいなって思ってます」

――遠心力と求心力みたいな。

チッチ「そうです、凄いカッコイイ人たちって、めっちゃ遠くにいる人も寄ってくるじゃないですか? それって凄い力なんだなって。そっちもあったほうがまた一歩成長できるのかなって思いました」

――その間にPEDROのツアーもありますし、7月16日にはチッチさん主催の〈THAT is YOUTH!!!!FES〉もありますね。

チッチ「はい。自主企画の考えとしては、音楽を好きな人に私の好きな音楽を知ってほしいし、素直に音楽を楽しめる場所が作りたいなって思って。BiSHで初めて音楽を好きになったっていう若い人たちにも〈昔からこんなにかっこいいバンドがいるんだよ〉ってeastern youthを教えたいし、歳上の音楽好きにもリーガルリリーを知ってほしい。GEZANは観た瞬間にもう大好きになったので、同じように衝撃を受けてほしいなって」

モモコ「BiSHも出ますよ!」

――いいですね(笑)。そんな夏が過ぎると、9月23日には大阪城ホールでのワンマン〈And yet BiSH moves.〉が控えています。

チッチ「首都圏以外でのアリーナ規模のワンマンは初めてになります」

――大阪城ホールの経験は?

アイナ「イヴェントで少しだけ。4曲とかだったよね?」

チッチ「ライヴ出演がうちらだけの、催事みたいなもののゲストで出たことはあります」

アイナ「私は観る側でも何度か行ったことがあって、あとは昔、とあるバック・ダンサーのオーディションを一緒にダンスやってた子たちと受けたんですけど、私以外の全員合格で私だけ落ちたことがあって、その時は楽屋でみんなの水とかを用意して待ってました(笑)。そういう悲しかった思い出がある場所で、ちょっと挽回したいんでがんばります」

――まだ少し先ですけど、もう当日を見据えて考えたりされてることってありますか?

チッチ「具体的なことはまだこれからなんですけど、私たちにとっては凄い挑戦だと思ってて、間違いなく大事な日になります。首都圏以外でこの規模でやるのもそうだし、アイナが立ちたいって思ってたのも知ってるし、メンバーもお客さんもどんな場所かイメージできてないところもあると思うんですけど、この大阪城ホールに凄い懸けてるんだよっていうのは伝えたいですね」

――それこそフェスでいろいろ回られるなかで広めていって。

チッチ「そうですね。アルバムが出た後にできるワンマンなので、いまのツアーとも以前のアリーナ規模のライヴともまた違うものになっていくと思うし、夏の終わりに良い日ができたらいいなと思います」

アイナ「これ読んでる人はチケット買ってください」

チッチ「その日が弟の誕生日なんですよね。全然関係ないけど(笑)」

アツコ「9月4日はモモコさん誕生日だよね」

アイナ「あっちゃんのほうが近いんじゃない?」

アツコ「私は4日後の27日です」

モモコ「20日前はそんなだけど(笑)。あっちゃんはすぐ4日後に誕生日だから」

アツコ「そんなイヴェントがある9月です。来ていただければ、もうそれがお祝いになります。全国から集まっていただきたいですね」

モモコ「ハシヤスメのために(笑)」

 

幕張メッセ公演の模様を収めたBiSHのライヴDVD「BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"」(avex trax)

 

BiSHのフル・アルバムを紹介。

 

BiSHの2018年のシングルを紹介。

 

BiSHの関連作と、BiSHの音楽性を支えるSCRAMBLESの最近のワークスあれこれを紹介!

セントチヒロ・チッチ, アイナ・ジ・エンド 『夜王子と月の姫/きえないで』 avex trax(2018)

前年の企画を受けてソロ・デビューが決まった両名のスプリット・シングルは、いつものSCRAMBLESとは別軸での制作に。盟友リーガルリリーの編曲/演奏で憧れの曲をカヴァーしたチッチと、亀田誠治プロデュースで自作のスロウを披露したアイナ、いずれも今後の展開に期待したいところ。

 

上掲のシングルと同時にサプライズ・リリースされた、アユニ・Dのバンド・プロジェクトによる初作。松隈ケンタとアユニが共同制作し、BiSHとはまた違う乾いた音世界を開陳しています。8月に控える新作『THUMB SUCKER』には、本人のベースと田渕ひさ子のギターも含めた今作のリテイク盤も付くそう。

 

椎名ひかり 『不完全な僕と完成された社会』 VITHMIC MUSIC(2018)

モデルとして活躍する彼女の現時点での最新シングル。椎名ぴかりん名義の頃からそのサタニックな楽曲世界をサポートしてきたSCRAMBLESですが、ここにカップリング収録された“ダイキライ”も、これまでに“魔界行進曲”や“MITSU TO BATSU”を手掛けてきた田仲圭太がヘヴィーなアレンジを施しています。

 

幕張メッセ公演を控えたタイミングで登場し、一年を劇的に締め括った昨年4枚目のシングル。ここでアユニがメンバーについて作詞したパンキッシュな“S・H・i・T”や、“SCHOOLYARD”“しゃ!!は!!ぬあ!!あぁ。死!!いてぇ。”といったカップリング曲は今回の『2018-19 Single Collection』にも未収録なのでご注意を。

 

あの曲のプロトタイプのような“LAST”でエモーショナルに幕を開ける、9人体制の集大成的な逸品。作曲陣やトラック制作の顔ぶれが多彩なこともあって、メロコアやEDM、ハロプロ調、ゲーム音楽風など曲ごとの個性がハッキリ出た内容になっています。当初シークレット扱いだった“PALET”はCDにのみ収録。

 

グループを取り巻く状況と楽曲の内容が図らずもシンクロして鳴り響く、初のシングルにしてこの体制での最後の作品。ゴージャスな厚みのあるトラックはEMPiREのキーとなる楽曲に多く携わってきたoniが制作しています。薄暗い焦燥と疾走感に溢れたカップリングの“ERASER HEAD”も聴きモノ。

 

VARIOUS ARTISTS 『東京スカパラダイスオーケストラトリビュート集 楽園十三景』 JUSTA/cutting edge(2019)

豪華な顔ぶれが名を連ねたスカパラのトリビュート盤にて、BiSHはチバユウスケがオリジナルを歌った“カナリヤ鳴く空”を披露。原曲のスウィング感をロカビリー方向から解釈したSCRAMBLESのアレンジも絶妙で、こういう企画ならではの新鮮なカッコ良さ!

 

この5月に解散したばかりの9人によるラスト・シングル。いま聴き返せば背景にある不安や脆さを示唆したような内容に思えてこなくもないですが、クイーン“Bohemian Rhapsody”を貪欲に取り込んだ力技の完成度は流石。なお、顔ぶれを新たに再々始動したBiSは8月のアルバム発表も決定しています。

 

2016年の“HIGH-VOLTAGE DANCER”を松隈ケンタが提供して以来、継続的にSCRAMBLES製の楽曲を発表してきたダンス・ロック・バンド。BiSHとの対バン経験などの縁から、この最新作では“SING-A-LONG”にアイナ・ジ・エンドが客演。松隈とJxSxKによる完全BiSHマナーのラウド・チューンで最高です!

 

ときめき♡宣伝部 『ときめき♡宣伝部のVICTORY STORY/青春ハートシェイカー』 avex trax(2019)

スターダストプラネットに属する6人組グループのレーベル移籍第1弾シングルに、松隈ケンタが“ときめき♡宣伝部のVICTORY STORY”を提供。前年に手掛けた直球の青春ロック“SWEET SWEET DAYS”に比べ、明るさを全開にした超ポップなアレンジがハマっています。

 

GANG PARADE 『ブランニューパレード』 FUELED BY MENTAIKO/ワーナー(2019)

晴れやかに鳴り響くファンファーレがメジャー・デビューに相応しい最新シングル。10人体制をお披露目した大盛況の野音ツアーに続いては、ゲームのサントラとなるカラフルなEP『THE MUSIC AND THE GAME CREATES MAGIC』も配信リリースしたばかりです!

 

beat mints boyz BiSH 『CARROTS and STiCKS??』 avex trax(2019)

『THE GUERRiLLA BiSH』の例に倣い、299円の廉価盤として先行リリースされた一枚……なれど、中身は渡辺淳之介と松隈ケンタが14曲を気持ち良さげに歌っているフェイク盤。演奏もトラックもBiSHとは別物を仕立てるという、手の込んだ遊びが彼らならでは。

 

フリースタイル動画や恋愛リアリティー番組で人気を集める16歳のラップ・アーティストが完成したファースト・アルバム。SKY-HIやALI-KICKらも援護するなか、“Never End”を松隈ケンタが共作。BiS“IDOL”を想起させる怒涛のリフも印象的な、緩急の効いたミクスチャー・サウンドに仕立てています。

 

MELiSSA 『MELiSSA/DEAD HEAT DRiVE』 FIFTY-FIFTY(2019)

アイドルカレッジから派生した5人組ユニットのデビュー・シングル。ロックをテーマとする個性に沿って収録曲はいずれもSCRAMBLESが制作し、田仲圭太による“MELiSSA”からWACK好きも必聴のラウドな出来映え。井口イチロウ作曲の“DEAD HEAT DRiVE”では元BiSのペリ・ウブが振付けを担当しています!

 

EMPiRE 『SUCCESS STORY』 avex trax(2019)

詳細はP26のインタヴューをご覧いただくとして……NOW EMPiREを加えた新たな6人体制で送る気合いのニュー・シングルです。表題曲は少し“nerve”のノリを連想させなくもない賑やかなアッパー・チューン。oniが作曲したカップリング“maybe blue”は柔らかい音色の響く今風のスウィング・ナンバーです。