世界的なロック低迷の流れにもかかわらず、英国からは頭一つ抜けた才能がたびたび現れる。アデルやエイミー・ワインハウスなどを輩出した名門校出身のこの4人組は、確かな演奏技術を元にポスト・パンクからマス・ロック、プログレ、ファンク、サイケまでも横断する音楽性で急速に注目を集める逸材だ。名匠ダン・キャリーも参加したこの初作は、例えるならまるでシェラックとデッド・ケネディーズとバトルスがジャムっているかのよう。爆発的かつカオティックな展開を見せたかと思えば急にメロウになったりと、とにかくスリリングで予測不能。ソリッドな音像でこちらの虚を突くような、確信犯的な側面も感じさせる。今日におけるロックが持つ強みをギュッと濃縮したかのような快作だ。