大きなメガネがトレードマークのシンガー・ソングライター、リサ・ローブが新作『A Simple Trick To Happpiness』をリリースした。合わせて秋には来日公演を実施。9月2日(月)にBillboard Live OSAKA、9月4日(水)と5日(木)にBillboard Live TOKYOでライヴを行う。

LISA LOEB 『A Simple Trick To Happiness』 ビクター(2019)

 ローブといえば、やはり最大のヒット曲“Stay(I Missed You)”を避けては通れない。当時ローブはまったく無名の存在ながら、同曲はイーサン・ホークやウィノナ・ライダーが出演した映画「リアリティ・バイツ」(94年)で使用され、大ヒットを記録。もともとNYに住んでいたローブとホークに近所づきあいがあったらしく、彼がこの映画で監督を務めたベン・スティラーに曲を聴かせたことで、映画のエンディング・クレジットに使うことが決定されたそうだ。

リサ・ローブ“Stay(I Miissed You)”。このMVはイーサン・ホークが監督し、ワンカットで撮影されている
 

そして、映画が公開されると、当時の若者(=X世代)のリアリティーやヒリヒリとした感覚をヴィヴィッドに描いた作品として高く評価され、同時に“Stay(I Missed You)”もシンボリックな楽曲として支持を集める。こじれた関係を歌ったリリックと、フォーキーでソフトながら独特の切迫感も漂う曲調が、X世代の心をとらえたのだ。結果的に、この曲はビルボード・ホット100で1位までのぼりつめ、いまでも90年代を代表する1曲と名高い。ちなみに、当時ローブはどこにも所属しておらず、レコード会社と契約していないアーティストによる初のナンバーワンにもなった。

同曲が収録されたリサ・ローブ&ナイン・ストーリーズ名義でのアルバム『Tails』(95年)はゴールド・ディスクに認定され、続く『Firecracker』(97年)もグラミー賞の最優秀エンジニアリング・アルバムにノミネートされるなど高評価を受ける。シンガー・ソングライター然とした親密さ漂うメロディーと、パワフルで爽やかなギター・バンド・アンサンブルを組み合わせたこの頃のローブ作品は、あいみょんのファンにもオススメしたい。

リサ・ローブの97年作『Firecracker』収録曲“I Do”
 

その後は、誰もが知るようなヒット曲を出してはいないものの、数年に一度のペースでコンスタントにアルバムをリリース。また、子供向けの音楽にフォーカスした作品も度々発表しており、それらも人気を集めているようだ。

今回、リリースされた新作『A Simple Trick To Happpiness』は、彼女にとって9作目にあたるオリジナル・アルバム。共同プロデューサーを務めたリッチ・ジャックスによるウェルメイドな音作りのもと、彼女ならではのなだめるかのように優しい歌声と穏やかなアレンジで、心地良いポップスを響かせている。

リサ・ローブの2019年作『A Simple Trick To Happpiness』収録曲“Doesn't It Feel Good”
 

今回の来日は新作の発表直後ということもあり、ローブにとってもフレッシュな心持ちで臨む公演となるだろう。少しばかしおセンチになる初秋の夜、彼女の柔らかな歌に癒されたい。

2018年のライヴ映像

 


LIVE INFORMATION
リサ・ローブ

2019年9月2日(月)Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場17:30 開演18:30
2ndステージ 開場20:30 開演21:30
サービスエリア 8,900円/カジュアルエリア 7,900円(1ドリンク付き)
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2019年9月4日(水)、5日(木)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
サービスエリア 8,900円/カジュアルエリア 7,900円(1ドリンク付き)
★詳細はこちら

■メンバー
リサ・ローブ(ヴォーカル/ギター)
カズミ・シモカワ(ギター/ベース/ウクレレ/パーカッション/バックグラウンド・ヴォーカル)