J.ケージ「4分33秒」は間違いなく音楽の最も大きな転換点の一つだ。氏はこのテーマで2008年に行った伝説的な講義「『4分33秒』を/から考える」で、この“楽曲”から読み取れることを語り尽くしている。5日間で行われた講義は、本著でそれぞれ5つの章に分かれ、この曲の効果・評価・影響を細かく解説。あらん限りを書き尽くしている。残念ながら本講義を受けられなかった方でも、それに参加しているかのように感じる語り口で書かれており実に楽しい。「あんなの音楽じゃない」、そう思ったことがある諸氏は是非とも読んでもらいたい。音楽の原理に共に迫ろうじゃないか。