シカゴ郊外の小さな街に住む幼馴染みの悪ガキ5人組が放ったメジャー進出アルバム。先行シングル“Mallrats”のPVでは地元のシケたショッピングモールで遊ぶメンバーが映し出されていたが、そんなスモール・サークルで暮らす10代が驚くほど堂々とした世界基準のロックンロールをブチかましているのだから痛快じゃないか。演奏は巧みではないが、それゆえの青い衝動が魅力的だし、一聴するとヤケクソ風ながら物怖じのまるでないヴォーカルも頼もしい。そして力強いメロディーは実に開放的で、単なるガレージ・バンドの域を逸脱しているどころか、誤解を恐れずに言うとデビュー時のオアシスに似た雰囲気すら感じる。ともあれ、今年の〈サマソニ〉でその真価が発揮されることを心待ちにしたい。