活躍の場を広げるなかで延期に見舞われていた通算7作目がいよいよ到着。これまでの名作群に深く関わってきたインフローと手を切る事態になり、今回はマイルス・クリントン・ジェイムズにサウンドの核を委ねて自身の音楽性をプリミティヴに更新してきた。シンプルなビートを軸にしたプロダクションは、より生々しい感情を注ぎ込んだ主役のマイク捌きとリンクし、改めてその勢いを表出。そんな力強さが傷の深さを物語るものだとして、オボンジェイヤーやムーンチャイルド・サネリー、レッチ32、ユキミ、ユセフ・デイズ、サンファらいつになく豪華なゲスト陣の振る舞いが作品を豊かな起伏で彩っている。