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不安と楽しみの両方

――まず、2つのユニットに分ける計画はどのように始まったんでしょう?

月ノウサギ「サキさん脱退の話よりも前に、GANG PARADEと並行して派生ユニット的なものを作ろうかみたいな話はあって」

テラシマユウカ(ユユ)「去年の秋ぐらいに」

月ノ「その時点ではジャニーズさんのコンサートであるような、ライヴの途中で数名ずつのユニットのパートがあるみたいなニュアンスで、10人の大所帯ならそういうこともできるかな?みたいな案だったんですけど、その後の状況の変化もあって、今回キッチリ分けることになった感じです」

――最初に聞いた時はどう感じましたか。

ナルハワールド「最初は不安もありました。不安っていうか、分かれて人数が少なくなることがイメージしづらかったです」

月ノ「私も結局GANG PARADE以外を経験したことがないですし、それこそ9人以下の人数でステージに立ったこともないんですよ。そういう意味での現実的な不安と、GANG PARADEじゃなくなることへの恐怖もありつつ、楽しみな気持ちもあって。やっぱり新しいことに挑戦できる、知らない世界に飛び込めるというのは、自分の気持ちのアクセルにもなるなって感じたので、不安と楽しみの両方が私の中ではありましたね。いまはまた状況が変わってゴタついてるので、ちょっと気持ちの整理はついてないですけど……(笑)」

ユユ「サキちゃんの脱退とユニット分けの話が同じ日にあったので、その日はいろんなことが重なって自分の中でも整理しきれなかったです。GANG PARADEに入った時はいちばん下で、先輩らしい先輩の立場になったこともないのに、この分け方だと活動歴は自分がいちばん長くなるし……〈どうなってしまうん?〉って混乱して。でも、一日寝てから考えたら〈おもしろいかもしれないな〉ってなりました」

――一晩で決心がついた。

月ノ「わりと早かった(笑)」

ユユ「そう、寝て冷静になって考えました。そうやって体制が変わる時って、状況も変えられるチャンスだなって。もちろん不安がないわけではないけど、ワクワクする気持ちのほうが大きくなっていきました」

――そもそもこのユニット分けの意図をどう捉えていますか?

月ノ「創始者のサキさんがいなくなることが決まったうえで、いまのGANG PARADEの状況を見て、渡辺さんが下した最善の選択かなって私は思っていますね。どうしてもグループを象徴してきた人がいなくなって、メンバー自身もGANG PARADEの存在意義を見失いかける部分はあって、それなら個々に力を付けることが、いまの私たちにとっていちばん大事なことなのかなと捉えています。本当ならサキさんがいなくなった先でもそのままの形で進めたら良かったので、そこはホントに自分たちの力不足でしかないし、悔しい部分でもあるんですけど……ただ、いまこうするのが最善の策だというのはわかります」

――そこからどう進むのが理想ですか?

月ノ「2つに分かれた先で互いのユニットがいまのGANG PARADEより売れるしかないのかなって思っていて。自分たちの描く理想の未来は、もう一回GANG PARADEをやることで、そのためには両方が大きくなるしかないです。そうじゃないと分かれる意味もないので」

ユユ「どうしても10人いると責任が分散してしまってたところもあって。2つに分かれることによって大人数でいる時よりも個々の責任感や背負う意識は変わるだろうし、一人一人がもっと見られるようになってステージでの考え方ややり方も変わってくるだろうし、そういう意味でも修行っていうか、逆境を経験することで、一人ずつの考える力も強くなるから、それを持ち合わせて集まったら、いま以上のものができるんじゃないかなって」

月ノ「ただ、ひとつになる可能性だけを求めて猛進するのは違うなっていうか、ここから先はPARADISESで大きくなることだけを考えていこうと思ってます」

――時期が経てばいずれ一緒になるだろう、みたいな心持ちではないと。

月ノ「はい。みんな2期BiSを身近で見てきたので、先の目標だけ見ててもいい結果にはならないだろうって」

ユユ「ギャンパレとして歩んできた道はありつつ、ここからは完全に別のグループとして活動していくので、2期BiSが分かれて競争してたのとはまた違うんですけど」

テラシマユウカ

――とはいえ、〈BiS.LEAGUE〉を連想して心配するファンの方もいるはずで。

ユユ「そうですね。自分もお客さんの立場ならそう受け止めてしまうと思うし、正直そこにいいイメージはないと思うので、そういう見られ方を払拭するのが最初の壁ですね」

月ノ「まずはPARADISESとして、お客さんをワクワクさせるようにできないとなって思ってます」

――ただ、物理的にも3人でのステージって予想以上に広いでしょうね。

ユユ「ステージの使い方とか、立ち位置を何番で取ればいいのかとか……いままでWACKのグループは少なくとも4人までなので。うちらが入る前のギャンパレが一瞬3人でパフォーマンスしてた時期はあるんですけど」

――SiSよりも少ないですからね(笑)。

ユユ「そう、私は4人では経験があるんですよね、中野heavysickで1回だけ(笑)」

月ノ「そうじゃんね(笑)」

ユユ「この取材の前に初めて3人で練習してきたんですけど、4人から1人減っただけでもやれることが凄い変わってくるんですよ。でもいまのWACKに3人組がいないからこそ、この3人だからできるものを探していかないといけないなって」

――テンプレがないことをできるっていう。

ユユ「そう、良い方向に考えると、それを私たちが作り出せるので」

月ノ「そこの目新しさはがんばれば出せるなって。ポジティヴに考えれば(笑)」