ブルーノートの先進性を象徴するベーシスト3作目。前作でベーシストならではのアンビエンス感覚が印象的なサウンドスケープでプレイヤー以上にプロデューサーとしての手腕が光っていたが、その音楽性をライブ・バンドによる身体性を駆使し次のレベルに引き上げている。ツイン鍵盤、ツインドラムにグラスパー関連の作品で存在感を発揮するDJジャヒ・サンダンスという特殊な編制にストリングスなどを効果的に配し実験的かつ現代音楽的アプローチも試みながら個々のプレイヤビリティーを存分に引き出したプログレッシヴな傑作に仕立て上げた。特にタイトル曲の怒涛のインタープレイの応酬には身震いする。