サム・スミスのアルバムと重要な参加作品、関連のあれやこれやをご紹介!

SAM SMITH 『In the Lonely Hour』 Capitol(2014)
盟友ジミー・ネイプスを中核に、超然とした孤高の歌声を清らかなサウンドで守り立てた初作。トゥー・インチ・パンチによるアッパーなブレイクスの“Money On My Mind”とジミーによる“Stay With Me”が連続で全英1位を獲得している。エンジニアのスティーヴ・フィッツモーリスによる空間構築も全体の聖性に貢献。

SAM SMITH 『The Thrill Of It All』 Capitol/ユニバーサル(2017)
マレイやエミール・ヘイニーらUS勢の色も加えつつ、引き続きジミー&スティーヴが全体を造形した2作目。ティンバランドとのゴスペル“Pray”やオールド・ソウル調の“One Last Song”など歌を立てるヴィンテージな作りが印象的だ。スターゲイト共作のオーケストラル・ポップ“Too Good At Goodbyes”が全英1位を記録。
それ以前から活動していたサム・スミスが表舞台で脚光を浴びたのは、UKガラージの新星としてディスクロージャーが名を売った“Latch”でヴォーカルに起用された2012年のこと。ジミー・ネイプスも共作した同曲は、結果的に三者にとっての飛躍のきっかけになった。翌2013年にはエミリー・サンデーを手掛けて売れっ子だったノーティ・ボーイのソロ曲“La La La”にフィーチャーされて全英1位を獲得し、サム本人の翌年の大ブレイクにも道筋を引くことになる。その2014年にはメアリーJ・ブライジのUK録音作『The London Sessions』で4曲をコライトし、ディスクロージャー節全開のハウス“Right Now”やドゥワップ調の“Therapy”など3曲でバック・ヴォーカルを担当していたのも印象深い。
ディスクロージャーとのさらなるコラボ・ヒット“Omen”の生まれた2015年には、「007 スペクター」主題歌の“Writing's On The Wall”を歌唱して、ボンド映画の主題歌として初の全英1位を獲得。国民的シンガーのポジションを不動のものとすると共に、ゴールデングローブ主題歌賞とアカデミー歌曲賞の栄誉も輝いている。なお、同年には映画「ピッチ・パーフェクト2」に“Flashlight”を提供(サントラではジェシーJが歌唱)。以降の外部露出は決して多くないものの、エルトン・ジョン&バーニー・トーピンのトリビュート盤にて歌った“Daniel”や、「ジュディ 虹の彼方に」のサントラでレネー・ゼルウィガーとデュエットしたゴージャスな“Get Happy”、共作者として名を連ねたジミー&スターゲイト制作のセリーヌ・ディオン“For The Lover That I Lost”などいずれも要注目の曲だ。
なお、チェインスモーカーズ“Push My Luck”で“I'm Not the Only One”がネタ使いされるなど、サンプリング/カヴァーを通じてサムの曲に出会う例も数多くなっている。なかでもテンプテーションズのカヴァーからアヴィーチー“Freak”での引用まで、振り幅の広い“Stay With Me”のリサイクル人気はやはり絶大だ。 *出嶌孝次