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関根 梓

私たちが走ってきた姿

 さまざまな思いを巡らせながらの野音ワンマンだったようだが、その場で新メンバー募集と共に発表されたのが、ニュー・アルバムのリリース。そして、いまここに完成した『6thアルバム(仮)』には、前作『5thアルバム(仮)』以降に発表した4枚のシングルやデジタル配信されていた“晴レ☆HALation”を含め、ここ2年半あまりのグループの進化と成熟ぶりを示す17曲が収められている。

アップアップガールズ(仮) 『6thアルバム(仮)』 T-Palette(2020)

――5人体制となって最初のアルバムだった『5thアルバム(仮)』の時から薄々感じてましたが、アッパーな印象が強いそれまでのレパートリーに加えて、ヴォーカルをしっかり聴かせるような曲が増えていきましたよね。

佐保「5人になったばかりの時、これからどう見せていこうかっていう話を5人でしたんですよ。そのときにみんなで言ってたのは、人数が少なくなったぶんダンスもきっちり揃えられるし、カッコイイ感じのパフォーマンスを突き詰めていきたいって。5人になってからは、いままで挑戦したことがないジャンルの曲もたくさんいただいて、ライヴの幅も広がったと思うし、ダンスを見せるところがあったりとか、歌を聴かせるところがあったりとか、カッコイイ曲をやったり大人っぽい曲をやったり、ライヴを通していろんなことに挑戦できましたから」

――『6thアルバム(仮)』は、この5人での最終進化形ということになります。

古川小夏「いつもライヴに向けて曲を作らせていただいてる感じではあるので、ライヴで楽しめる曲が増えていくのが嬉しいし、どんどん新しい曲が増えていって、それをベスト盤みたいな感じでアルバムにしていただいているんですけど、アルバムが出来上がったタイミングで改めて曲と向き合ってみると、こんなに歌える曲が広がったんだぁとか、そういうのを実感する機会に毎回なっていて。今回はシングルで出していた曲のほかに5曲の新曲が入ってるんですけど、自分たちが走ってきたものが最後ひとつになってみなさんにお届けできるっていうのが素直に嬉しいですし、この一枚で私たちが走ってきた姿、最終進化形を感じてもらえたら嬉しいですね」

新井愛瞳

――新曲が5曲ということで、それぞれについて伺っていきましょう。まずは、野音でもオープニングを飾っていた“I LIVE YOU”。PandaBoYさんが書き下ろしたロッキンなナンバーです。

「自粛期間中に出来た曲なんですけど、その間はライヴがまったくなかったので、ライヴでファンの人と会いたいっていう気持ちをPandaBoYさんに書いていただきました。私たちもライヴがしたい、ライヴでファンのみんなと盛り上がりたい!っていう気持ちをメラメラさせていた期間だったので、気持ちがさらに入って歌えましたし、野音でも1曲目だったので、そこでも〈みんなに会えたね〉っていう気持ちを込めてバシッと思いを伝えられた曲ですね。その後、いろんなところで歌ってきましたけど、私のなかでは野音の光景がすごく焼き付いていて、最高の想い出になってます」

――1曲目からクライマックスですよね。中盤の“未来=ダイアモンド”は、ダンサブルなナンバーで。

新井「そうですね、私はサビでほとんど踊ってないんですけど(笑)、4人がめちゃくちゃかっこいいダンスを踊っているのと、古川と森のラップも見せ場だし、ハーモニーがとっても大好き。いまのアプガが見せることのできる最高のダンサブルナンバーが出来ました。ダンスを見せるだけじゃなく、歌で聴かせるところもあるし、最後の最後で全員で一気に畳みかけて歌うところがあったり、後半になるにつれて曲の迫力がどんどん増していくんです。私たちがお届けできるパワーとカッコイイ部分を全部詰め込んでいます!」