〈三種の神器〉のアナログ再発
――なにより重要なのは、12月23日にフィフス・アヴェニュー・バンド『The Fifth Avenue Band』(69年)、オハイオ・ノックス『Ohio Knox』(71年)、ピーター・ゴールウェイ『Peter Gallway』(72年)の3枚が長門さん監修のもとでアナログ・リイシューされることです。渋谷店と新宿店、オンラインで3枚同時に購入すると、特典のトートバッグも付属します。
長門「このワーナーの3枚の再発は、ずっとやりたかった企画なんだよね。2017年に『Nice Folks / One Way Or The Other』の7インチ・シングルをリリースしたときにすぐ完売しちゃってね。CDは何度も再発されているけど、やっぱりLPで復刻したいなと思っていて。
今回はリマスターを山下達郎のアルバムやシュガー・ベイブの『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』(2015年)を手がけてきた菊地功さんにやってもらって、考えうる最良の形の再発になってよかった」
塩谷「3枚セットで意味がある作品だと思うんですよね。優劣や序列はないし、全部必聴作なので、ぜひ3枚一緒に聴いてほしいです」
長門「〈三種の神器〉ってよく言われるけど、本当はフル・ムーン『Full Moon』(72年)も入れないといけないね。フィフス・アヴェニューやフル・ムーンが、シュガー・ベイブやティン・パン・アレー周辺に大きな影響を与えているから。そのあたりのファンにとって、この4枚は必聴、必携。
フル・ムーンのバジー・フェイトンはフィフス・アヴェニューの前身バンドにも在籍していて、ここでも繋がっている。これは、ウィキペディアとかインターネットには載っていない情報(笑)」
――長門さんはまさに生き字引ですね。2016年にCDとLPで再発された『Full Moon』はまだ店頭に在庫がまだあるので、今回の3枚と一緒に揃えていただく、ということで。
長門「『The Fifth Avenue Band』に関しては、20年以上前に書いた僕のライナーがCD再発のたびにそのまま流用されていたこと知らなくて、今回書き直すつもりだったけど、読み返してみて、これ以上詳しく書けないなと思ってね。だから、その後の情報を加えてアップデートしたものにした。初めて買う人もいるかもしれないからね」
――この記事の続編として、長門さんと『Peter Gallway』のライナーを執筆されたミュージシャンの谷口雄さんの対談を行うので、3枚についてはそこでたっぷり語っていただきましょう。
パイドパイパーハウスの精神は受け継がれる
――最後に、新宿パイドについてはいかがでしょうか?
長門「パイドがTOWER VINYLに出店したのは、本当にうれしい。僕はあまり行けていないんだけど、毎日アップされるTwitterの写真を見ると、〈パーフェクト!〉と思ってしまう。品揃えや展示については一緒に考えたりしているけど、いまやもう、塩谷さんがパイドパイパーハウスだね」
塩谷「いやいや。それは、渋谷パイドをオープンするときにいろいろ教えていただいたからです」
――塩谷さんがパイドの精神を受け継いでいるということですよね。
長門「そう。だから、僕は安心しています。僕よりもリリース情報を把握していて、パイド向きの商品をきちんと見てくれているから」
塩谷「CDが中心の渋谷パイドとちがって、新宿パイドはアナログ盤がメイン。なので、アナログの在庫には常に注意を払っています。渋谷パイド同様、新宿パイドもグッド・ミュージック好きのみなさまにぜひ来ていただいただけたら、と思っています」
INFORMATION
タワーレコード新宿店〈パイドパイパーハウス〉オープン記念
長門芳郎氏監修のもと厳選3タイトルが最新リマスタリングでタワーレコード限定再発
2020年デジタル・リマスター
180グラム重量盤/歌詞・対訳付/解説付
3タイトル同時購入のお客様に、先着でパイドパイパーハウス特製トートバッグ(LPレコード約20枚収納可能)をプレゼント!
※同時購入特典対象は渋谷店、新宿店、オンラインのみ
TOWER VINYL SHINJUKU
東京都新宿区新宿3-37-1 フラッグス10F
営業時間:11:00~21:00 ※当面の間営業時間を短縮
定休日:不定休(フラッグスの休業日に準じる)
電話番号:03-5360-7811
https://tower.jp/site/vinyl