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【天野龍太郎】

大聖堂

ふとしたきっかけで紹介してもらった大聖堂。山本康博(ヴォーカル/ギター)、尾花佑季(キーボード)、成瀬圭(ベース)、町野陽輝(ギター)からなる4ピースで、2020年に自主制作のアルバム『大作戦』EP『夏の終わり』をリリース。最新作は、年末に発表したシングル“愛の惑星”。彼らの音楽を聴いていて、Orangeade(現conte)のような職人っぷりと同じくらいに、いわゆる東京インディーのバンドが持っていたような危なっかしさとひねくれた感覚と情熱を感じます。つまり、ものすごく魅力的っていうこと。きっと、never young beachのようなバンドになっていくはず。

 

Penthouse

先日、シティ・ソウルのコンピレーション『City Soul:Sparkle – Today’s Soul, AOR & Blue Eyed Soul』に“Fireplace”が収録されたことをきっかけに取材させてもらった6人組のPenthouse。そのシティ・ソウル座談会の記事では詳しく触れられなかったのですが、彼らはもともと東京大学発のバンドで、メンバーにピアニストとして大活躍中のCateen(かてぃん)こと角野隼斗が名を連ねています。そんなユニークかつポテンシャル十分な彼らの魅力は、やっぱり浪岡真太郎と大島真帆という個性的なヴォーカリスト2人の歌、ソウルへの愛を感じる楽曲、そして高い演奏力。要注目です。

 

寝坊主

寝坊主の“空蝉”は衝撃的でした。やぶれかぶれなフロウに打ちのめされて、連載〈Mikikiの歌謡日!〉で紹介したのが昨年9月。2019年のTHE MAGAZINEによるインタビューでは「16歳です。愛媛に住んでます」と語っているので、まだ18歳か19歳のはず。Junes Kとの作品『九龍庭園』〈K/A/T/O MASSACRE〉への出演などで、どんどん注目されている印象。影響を受けたアーティストは「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、Radiohead、Tohji」だというのがすごいし、Instagramなどのアイコンが映画「アカルイミライ」のワンカットなのもなんだかいい。

 

オリーブがある

最後の1組は迷いました。というのも、紹介したいアーティストはまだまだたくさんいるから。迷った末に選んだのは、Local Visionsからリリースしたシングル『BLESS ME / 裸のSummer』が素晴らしかった〈オリーブがある〉。JAWZZとko wadaによるオリーブがあるは、まずシティ・ポップの楽曲を〈元ネタ〉として作ったうえで、それをセルフ・サンプリングしてヴェイパーウェイヴやフューチャー・ファンクにしてしまう、かなりコンセプチュアルなユニット。その〈元ネタ〉のセンスがレイト80sやアーリー90sを思わせる絶妙なサウンドで、またすごいんです。2021年の活動にめちゃくちゃ期待しています。