こんにちは。TOWER DOORSスタッフです。

2021年1月からスタートさせた新企画〈TOWER DOORSが選ぶベスト・ニュー・アーティスト〉。毎月、月初に前月のベスト・アーティストを紹介していきますので、お見逃しなく。

TOWER DOORSは毎月25~30曲をYouTubeチャンネルで紹介していますが、ここではなかでもおすすめのアーティスト、これからの活躍が期待されるニューカマーをピックアップ。スタッフが厳選したアーティストを、注目ポイントやコメントとともに読者のみなさんにお届けします。

YouTubeチャンネルのほうでは同内容をポッドキャストで発信、このブログと連動させています。ポッドキャストはTOWER DOORSの総合チャンネルで公開しているので、併せてお楽しみください。

それでは、TOWER DOORSが選ぶ2021年2月のベスト・ニュー・アーティストを8組ご紹介しましょう。

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CaTEye(猫眼以太)

中国で生まれ、現在は東京を拠点に活動するCaTEye(猫眼以太)。2020年にはミックステープ『Trendsetter -弄潮兒-』をリリースしています。

彼女は英語、日本語、中国語を流暢に話すトリリンガルで、3か国語を使い分けたリリックが見事です。さらに、囁くような歌からアグレッシヴなラップまで、幅広いフロウで聴き手を圧倒して魅了するヴォーカリストとしての魅力も持ち合わせています。

ヴォーカリストとしてのみならず、プロデューサーとしてのスキルも高いのが彼女のすごいところ。ハードなトラップやメロディアスなエモ・ラップ、ウェスト・コースト調など、CaTEye(猫眼以太)のビートはラップ・ミュージックへの愛に満ちています。ヒップホップ・シーンの新鋭であり、かつ主流とは異なるオルタナティヴな音楽性が魅力のTierra WhackやDeb Never、Rico Nastyなどとは、幅広い音楽性で多くのリスナーを魅了している点でCaTEye(猫眼以太)と共振していると感じています。

そんな多面的な魅力と世界の潮流との同時代性を鑑みて、2月のベスト・ニュー・アーティストに選びました。

 

水いらず

2016年に都内で結成された3人組、水いらず。彼らは結成して1年足らずの2017年、折坂悠太(合奏)やカネコアヤノが出演した早稲田大学の音楽レーベル/サークル〈Waseda Music Records(ワセレコ)〉のイベント〈WMS.3〉に出演しました。

水いらずは、浮遊感のあるインディー・ロックをベースに、ソウルやジャズ、エレクトロニック・ミュージックなどの要素を組み合わせた音楽性を特徴としています。バンド・サウンドから逸脱した実験的なアプローチを潜ませた彼らの音楽は、アヴァン・ポップ的とも言えるでしょう。そのポップネスと実験的なアプローチは、フィッシュマンズやキセルといった、日本のポップ・ミュージックの新たな方向性を提示したバンドを想起させるほど。新鋭にしてこの堂々たる存在感は、TOWER DOORS的ベスト・ニュー・アーティストにふわさわしいと思います。

そんな水いらずが2年以上の年月をかけて完成させ、2020年12月にリリースしたアルバム『ほとんど、空』は、じわじわと後世に語り継がれ、のちのち重要になるようなアルバムではないかと思っています。未聴の方は、ぜひ聴いてみてください。

 

NEMNE

東京を拠点に活動するシンガー・ソングライターのUKO(ユウコ)。彼女は、冨田ラボやLUCKY TAPESの作品にコーラスなどで参加してきました。そんな彼女が2021年から始動させたソロ・プロジェクトが、このNEMNEです。

NEMNEとしてのデビュー・シングル“Mind”では、彼女のソウルフルで力強い歌声が前面に出ています。強い信念や感情が伝わってくるそのパワフルな歌声には、圧倒されました。UKOとしての歌や音楽性とは一線を画しており、フレッシュでより洗練されたクールなサウンドに仕上がっています。

近いうちにNEMNEとしての初のアルバムについて詳しい情報が届けられそうですので、そちらも楽しみです。

 

Ms.Machine

〈TOWER DOORSが選ぶ2021年期待の新人アーティスト6組〉に選出したヴォーカリスト/リリシストのSAI。彼女がMAKO(ギター)、RISAKO(ベース)とともに2015年に結成したバンドのMs.Machineが、1月に待望のファースト・アルバム『Ms.Machine』をリリース。今回改めて紹介しようと思い、ベスト・ニュー・アーティストに選びました。

エッジの立ったクールなギターの響きと無機質なベースライン、そしてインダストリアルな音が絡み合った彼女たちのダークウェイヴ・サウンドは強烈です。骨の髄まで響く弾丸のような音響の中、SAIのダウナーで凍てつくような歌声が響きわたる――そんなMs.Machineの音楽は、とても〈美しい〉と感じます。

Ms.Machineには2月、InterFM897のラジオ番組「sensor」に出演してもらい、インタビューを行いました。そのアーカイヴをYouTubeで公開しています。普段見せないようなメンバー3人の素顔が垣間見える内容ですので、お見逃しなく! また『Ms.Machine』のCDはこちらで販売されていますので、ぜひチェックを。

 

Voli

Voliは、東京を拠点に活動する鶴堀貴之によるソロ・プロジェクトです。2018年1月から〈Voli〉としての活動を始め、台湾では4度もツアーを実施。同年6月にはファースト・アルバム『FRAGMENTS』をリリースしています。

Voliの音楽は、多種多様なジャンルへの愛に満ちあふれています。ブルースをベースに、R&B/ソウル、ジャズ、ファンクなどをブレンドし、彼なりに昇華させた温かみのあるサウンドがなによりの特徴です。そこに、聴き手に寄り添い温かく包み込んでくれる歌声が絡み合い、極上のハーモニーを生み出しています。

そんなVoliの新作『BACKTRACK』は、必聴のアルバムです。作品全体からはVoliが音楽に懸ける情熱が強く伝わってきます。

 

kikori

東京を拠点に活動するSSW/トラックメイカーのkikori。彼女は2020年、術ノ穴のコンピレーション・アルバム『HELLO!!! vol.11』に“alien”という楽曲で参加。オルタナティヴなサウンドからアコースティック、アンビエントまで、さまざまな方向性の楽曲制作を得意としています。

その音楽性は、ローファイ・ヒップホップ的なザラついたメロウなトラックの上で儚いウィスパー・ヴォイスがたゆたう、とても幻想的なものです。見事なトラックメイキングと魅惑的な歌声という、2つの才能を持ったkikori独自の世界には驚かされます。これからDAOKOや泉まくらのように飛躍する可能性を強く感じたので、ベスト・ニュー・アーティストに選出しました。

また彼女は、2017年から鎌倉の一軒家で音楽・お酒・食事を通して空間と時間をプロデュースする自主イベント〈帰途 - kito -〉を始めています。音楽に留まらない総合的なプロデュースを行うマルチな才能は、彼女自身の音楽にもフィードバックされていると思いました。

 

羽鳥 慶

2002年生まれ、東京を拠点に活動する羽鳥 慶。幼少期から音楽に興味を持ち、小学2年生のときにMTRで楽曲制作を開始、中学2年生からDTMでの制作をスタートした、という早熟さにまず驚きました。一時は音楽活動を休止していたそうですが、2020年に再開し、映画やCMの音楽を手掛けています。

彼の音楽の魅力は、まるでインターネット上を彷徨っているかのような感覚を聴き手に覚えさせる、多数のジャンルが交錯したデジタル・ネイティヴなサウンドです。また、ノイジーなギターや彼自身のエモーショナルなヴォーカルも、とても魅力的。オルタナティヴ・ロックからシティ・ポップ調の楽曲、ジャズ、UKガラージ/2ステップを取り入れたビートまで、楽曲ごとに方向性は色とりどりで目まぐるしい。その音楽的な幅広さと現代性は、まるでThe 1975のよう。また、ノイジーなギターや彼自身のエモーショナルなヴォーカルも、とても魅力的です。

崎山蒼志や君島大空、長谷川白紙らとの同時代性を感じさせる羽鳥 慶という才能。3月1日には新作EP『Esc(EP01)』のリリースしたばかりなので、要チェックです。

 

Deges Deges

元Walkingsの高田風と、彼の盟友である井上拓己により結成されたDeges Deges。高田は月に60曲も制作するストイックな音楽家で、井上はあらゆる楽器を使いこなす多才なプレイヤーです。ブルースやロックンロールをベースにしたルーツ・サウンドと、たまらなくクセになる高田の渋く乾いたクールな歌声が、Deges Degesの魅力。

耳に馴染む滋味深いサウンドであるだけでなく、Deges Degesの音楽には民族音楽的な楽器の奏法や、1940~50年代の音楽、さらには日本の民謡など、普通のロック・バンドが参照しないような音楽のエッセンスを取り入れているのがすごいところ。挑戦的で唯一無二のサウンドを奏でているのがDeges Degesです。

今年の夏にはファースト・アルバムのリリースを予定しているとのことで、どんなサウンドの作品になるのか、予測不可能でとても楽しみです。