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ジョン・バティステの備えたルーツと伝統、『WE ARE』から繋がるさまざまな音楽たち

TROMBONE SHORTY 『Parking Lot Symphony』 Blue Note/ユニバーサル(2017)

“Boy Hood”に駆けつけたのは21世紀のNOLA音楽を牽引してきたトロンボーン奏者。トロイ・アンドリュースとしてのデビュー作(02年)からジョンをピアニストとして迎え、オーリンズ・アヴェニューでも活動を共にした盟友だ。 *出嶌

 

THE HOT 8 BRASS BAND 『On The Spot』 Tru Thoughts/BEAT(2017)

伝統的なブラスバンドの様式にモダンな感覚を掛け合わせて現在進行形のニューオーリンズ・ファンクを披露する楽団。今回の『WE ARE』では“Adulthood”に賑やかで猥雑な地元のヴァイブレーションを挿入している。 *出嶌

 

HOT BOYS 『Get It How U Live!!』 Cash Money/Universal(1997)

ルーツに根差したヒップホップを推進し、音楽地図におけるNOLAの存在意義を更新したキャッシュ・マネーの看板ユニット。ジョンとは世代の近い少年時代のリル・ウェインを擁していただけに、“Boy Hood”でのオマージュも実にリアルだ。 *出嶌

 

MAVIS STAPLES 『Livin' On A High Note』 Anti-(2016)

インタールードの“Mavis”に登場するのは公民権運動の時代から活動するレジェンド。今作にてジョンとアロー・ブラックが共作し、トロンボーン・ショーティも演奏に加わった“Tomorrow”は『WE ARE』に通じるブライトな一曲だ。 *出嶌

 

VARIOUS ARTISTS 『Nina Revisited... A Tribute To Nina Simone』 RCA(2015)

ロバート・グラスパーが総監督を務めたニーナ・シモンのトリビュート盤。そのうちグラスパーが関与していないミス・ローリン・ヒル主導の数曲ではジョン・バティステも演奏陣に名を連ね、オルガンやシンセで偉大な先達の再訪に奉仕した。 *出嶌

 

PJ MORTON 『Gospel According To PJ』 Morton/Tyscot(2020)

ローカルやメジャーの舞台を自在に行き来し、ゴスペルからヒップホップまで新旧の多様な音楽と世代を繋いできた現代ニューオーリンズ音楽が誇る才人。今回“Boy Hood”でジョンと手合わせした同郷の縁は今後にも繋がっていくはずだ。 *出嶌

 

NICK WATERHOUSE 『Promenade Blue』 Innovative Leisure(2021)

LAを拠点に独自のヴィンテージでレトロな美意識を追求しているマルチなシンガー/ソングライター。かつて『Christmas With Jon Batiste』を共同プロデュースした縁から、『WE ARE』でもトラディショナルな“Tell The Truth”を手掛けている。 *出嶌

 

VICTORY 『The Broken Instrument』 Peace Industry/Roc Nation(2018)

トレイシー・チャップマンやロバータ・フラック、ニーナ・シモンらを引き合いに出されるデトロイト出身シンガーの初作。クリスマス盤で絡んだ縁からジョンが2曲を制作し、フォークやゴスペル、ジャズの風情を纏った主役の魅力を表出させている。 *出嶌