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『Happier Than Ever』と一緒に聴いておきたいフィニアス兄さんの華麗な仕事遍歴

CAMILA CABELLO 『Romance』 Syco/Epic/ソニー(2019)

同世代の歌姫によるヒット作品にフィニアスは2曲で参加。ジョーダン・レイノルズと共同プロデュースした“First Man”は父親に捧げられたピュアな歌世界をピアノ主体のシンプルな意匠で支えるもの。もう1曲“Used To This”ではヴォーカル・プロダクションを担当している。

 

SELENA GOMEZ 『Rare』 Interscope/ユニバーサル(2020)

ビリー・アイリッシュがブレイクするなかで裏方としてのフィニアスが関わった大仕事の筆頭はセレーナ2019年の大名曲“Lose You To Love Me”だろう。プロデュースはマットマン&ロビンながらシンセやストリングスを加えたフィニアスの役割は彼の他の仕事と比べれば明白だ。

 

HALSEY 『Manic』 Capitol/ユニバーサル(2020)

レノン・ステラやブルーノ・メジャーに曲提供するなど多様な作品でクレジットを見るようになったこの時期のフィニアスは、こちらのヒット作にも参加。リドが制作した“I Hate Everybody”にて鍵盤とプログラミングを担当し、世代を選ばないオーセンティックな聴き心地に寄与している。

 

FINNEAS 『Blood Harmony (Deluxe Edition)』 OYOY/AWAL(2019)

前年のヒット“Let’s Fall In Love For The Night”など、フィニアスのシンガー・ソングライターとしての第1集となったEP。シアトリカルなショウビズ感や伝統的なポップス作法を踏まえてモダンに響かせるセンスと歌心が快い。フィジカル化もされたデラックス・エディションには2曲を追加。

 

KID CUDI 『Man On The Moon III: The Chosen』 Wicked Awesome/Republic(2021)

奇才ラッパーが10年ぶりに放ったシリーズ第3弾。全編を主役と腹心ドット・ダ・ジーニアスが手掛けているが、スペイシーで神秘的なイントロ“Beautiful Trip”ではフィニアスも共同プロデューサーに名を連ねている。そのトラックを下地にした幻想的な“Sept. 16”も聴きどころ。

 

JP SAXE 『Dangerous Levels Of Introspection』 Arista(2021)

トロントのシンガー・ソングライターによる初フル・アルバム。ここにも収録のグラミー・ノミネート曲“If The World Was Ending”はもともと前年のEP『Hold It Together』の先行カットだった2019年のシングル。厳かなサウンドメイクはプロデュースを手掛けたフィニアスによるもの。

 

JUSTIN BIEBER 『Justice』 Schoolboy/Def Jam/ユニバーサル(2021)

ビリー・アイリッシュともコラボしたジャスティンは、ベニー・ブランコとの連名による真摯でエモーショナルなバラード“Lonely”の共同プロデューサーにフィニアスを抜擢。歌と言葉を立てるピアノとアンビエンスのみの簡素な音空間は多くのフィニアス仕事に共通するものでもある。

 

ASHE 『Ashlyn』 Mom + Pop(2021)

カリフォルニアのシンガー・ソングライターがビッグ・テイストと完成した初のアルバム。2019年のヒット“Moral Of The Story”(ここにも収録)ですでに絡んでいたフィニアスは、トラディショナルで情熱的な“Till Forever Falls Apart”を共同制作してデュエット相手も務めている。

 

girl in red 『if i could make it go quiet』 World In Red/ASTERI ENTERTAINMENT(2021)

独自のベッドルーム世界を創出してきたノルウェーのシンガー・ソングライターの、全英7位を記録した初アルバム。幕開けのヒット・チューン“Serotonin”のプロダクションにはフィニアスが関与し、彼女自身の作法とも違和感なく馴染むビートに今風のスケール感を与えている。