連載

【BOY 奥冨直人の宇田川放送委員会】第8回 秋の始まり、鋭角のメロディーと柔らかいメロディー 寝坊主、cesco、フレディーマーズを紹介

 

 わたくし奥冨が、今聴いているアーティストや作品について愛情たっぷりにお伝えしていく連載。今回は様々な分野で楽しみの増す秋のように、衝動的なディストーションサウンドから浮遊感のあるギターポップまで。

寝坊主 『Drive For Nothing』 寝坊主(2021)

1. 寝坊主 “Drive For Nothing”
2002年生まれのラッパーで、この最新曲に一発でノックアウトされました。スリリングなドラムイントロ、サイレン音と鋭角のディストーション、針を刺すように鼓動を高めてくるラップ。2000年前後の世紀末~新世紀の希望と混沌を彷彿させる音景。ヒップホップ~オルタナティブの新風、目が耳が気持ちが離せません。

2. cesco『The Natural Diet』
近年のインディーポップ/ギターポップの輪郭とエバーグリーンを感じるスリーピースバンド、cesco。一聴したAL(しかし凄いタイトル)の温かで懐かしい安心感に魅了されました。好きなものの空気が鮮明に伝わってくる、素直で柔らかな音楽。ジャケット写真からも勝手に秋を感じています。

フレディーマーズ 『部屋の借り方』 Shut Up Kiss M(2021)

3. フレディーマーズ『部屋の借り方』
彼らもUSインディーポップへの愛がひしひしと伝わってきます。この1st ALは、タイトルからもわかる通り日本語の並び方が不思議と心地好く、サウンド面でも独特の癖とひねりを感じ、1枚を通して彼らの音楽を多角的に味わえる快作。ゆらぐメロディーが季節をなぞるように、肩の力をすっと抜いてくれます。

 


奥冨 直人(BOY)
平成元年・埼玉県生まれ。ユースカルチャーを発信するファッションと音楽のコンセプトショップ「BOY」を2009年渋谷円山町にオープン。2014年に現在の宇田川町店舗に移転・独立。現在スペースシャワーTVにて配信番組「スペトミ!」のVJを担当。DJやスタイリングなど日々の活動は多岐にわたり、どんな時代も楽しく暮らしている