
“ダウンタウンボーイ”は“KMCのRadio Ga Ga”
――オムスと同じくSIMI LAB~SUMMIT繋がりで、Hi’Specさんの提供曲もありますよね。
KMC「そうすね、ハイスペさんと出来たのも自分の中でアツいですね」
OMSB「100 bars(100小節のラップ)やった曲?」
KMC「そう! “COAST 2 COAST”ね。オムスが『Think Good』(2015年)で100 barsをやってるんです。それに感銘を受けて、俺もやろうと思ってやったんですよ。ハイスペさんに〈100 bars書いたからビート作って!〉って。根性ですよね。やり遂げたらもう、何でも出来るって感じになりましたよ」
――懐かしTVネタたっぷりのリリックで“ダウンタウンボーイ”も印象的な曲ですね。この曲はどういうきっかけで生まれたんでしょうか?
KMC「映画の『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)ってあるじゃないですか? 最後に“Radio Ga Ga”のライブシーンが出てくるんだけど、映画で歌詞(字幕)を読んで、めちゃめちゃいい歌だなあって突き刺さったんですね。これのKMCバージョンを作ろうとしたんですけど、別に自分はラジオで育った訳じゃないから、KMCならTVショーかなってことで、さらにダウンタウンだよなって思って。だから“KMCのRadio Ga Ga”っす、あの曲は」
――STUTSさんがプロデュースした曲もアルバムの要所要所に配置されてますよね。近年は星野源との共演、松たか子“Presence”(2021年)などでお茶の間にもその活動が波及しているSTUTSさんですが、彼とも昔からお付き合いがあるんですよね。
KMC「俺が20歳の頃で、彼が大学入学で上京してきた時からなんで、もう長いですね」
OMSB「一緒に住んでたよね?」
KMC「一カ月だけね。STUTSん家の台所に俺が住んで」
――何でも言える仲というか。
KMC「基本的にノーと言わない人なんで。今回入ってる曲で言うと“Summertour”とか、俺がボサノバとか聴いてた時期だったんで、そういう事がやりたいって言った曲なんです。そういうのを言える仲ですね。ワガママを聞いてくれるというか、俺の〈こういうのやりたい!〉っていうのを面白がってくれるんで」
OMSB「いい意味で貪欲だよね、音楽に対して。成長したいっていう」
KMC「彼の今の姿に出てるよね。ギター弾いたり、ラップしたりとか」
ヒップホップってこうでしょ
――STUTSさんの活躍もそうですし、オムスも昨年EPを2作出してましたけど、周りのミュージシャンの活動やリリースに刺激は受けましたか?
KMC「ありますねえ。オムスのEPも、さすがオムスさんですねえっていう……」
OMSB「(無言で力こぶを見せつける)」
KMC「(OMSBの力こぶを揉む)そうですねえ~!!! まあ、STUTSもそうですけど、ダサいことはしないじゃないですか。オムスも、色んなアプローチはするけど、ヒップホップってこうでしょ、っていうのを貫いてるんで」
――オムスから見て、KMCさんの新作についてはどう思われましたか?
OMSB「まあ、客観的に見るのは難しいけど……特に“新所沢PATARSON”なんかは事情を知ってるから、普通に泣く(笑)。あと“ILL KID”とかも俺めっちゃ好きなんだけど、ホント何言ってるかわからない!」
KMC「あのリリックは本当、誇大妄想(笑)。〈ある組織が俺を狙ってる~〉でもビギーのリリックとかも誇大妄想じゃん」
OMSB「2パックもそうだし」
KMC「まあ……(リリックに出てくる)年を取るほど若返る男の半生、ベンジャミン・バトン!って感じだよね」
OMSB「それ言いたいだけだよね(笑)。さっきもツイートしてたけど。ひとりベンジャミン・バトン(笑)」
KMC 3rd Album「ILL KID」は4/27リリース!
— KMC (@kmc_0548) April 12, 2022
歳をとるほど若返ってしまう男のハードな半生を綴った大パンチラインミュージックアルバム!
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フィジカルで極太のサウンドを体感しろ!https://t.co/sOTbu2mUGl pic.twitter.com/YkzG9eC4cF
――あの映画のそのCM、やたら観ましたよね。懐かしネタっていうか、言葉の響きだけがずっと印象に残ってるフレーズってありますよね。なんか口に出して言いたくなる感じ。
KMC「俺はもう、そんなのばっかりですよ(笑)」