(左から)HAYATO(キーボード)、HARUKA(ボーカル)、TORU(ギター)

メンバー自身が愛聴するJ-Pop/J-Rockとメロディックスピードメタルの要素を融合させた、独自の音楽性を提示してきたTEARS OF TRAGEDY。彼らが2022年5月25日にリリースした初のアコースティックアルバム『&』は、既存の楽曲をリアレンジしたものではありながら、オリジナル版とは別物と言える輝きを見せており、バンドの豊かなポテンシャルを、これまでとは違った側面から証明する作品に仕上がった。特に驚かされるのは多彩なアレンジセンスであり、歌の魅力もより前面に押し出されている。幅広いリスナーに訴求し得る本作はどのように生まれたのか。TORU(ギター)、HAYATO(キーボード)、HARUKA(ボーカル)に話を訊いた。

 

TEARS OF TRAGEDYのお気に入りのアコースティック作品

――今回の『&』にちなんで伺いますが、みなさんがこれまでに感銘を受けたアコースティック作品を挙げるとしたら、どんなものがあるでしょう?

HARUKA「いっぱいあるんだけど、いざ訊かれると悩みますね(笑)。HAYAちゃんは平井堅さんなんじゃないの?」

HAYATO「ピアノの伴奏でと考えたら、そうだね。ピアノ1本のバラードって、探してみると意外と多くないんですけど、平井堅さんには、本当にシンプルな構成の曲が結構あるんですよね。最初に好きになったのは、多分、『ブラックジャックによろしく』っていうテレビドラマの主題歌“LIFE is...”だったと思います。シングル(“LIFE is... 〜another story〜”)ではストリングスやドラムなども入ってるんですけど、アルバムではピアノ1本なんですよ。

もっと遡ると、葉加瀬太郎さんや小松亮太さんが参加しているオムニバスの『イマージュ』のシリーズとかも好きで聴いてましたね」

平井堅の2003年のシングル“LIFE is... ~another story~”

TORU「じゃあ、俺は洋楽でいこうかな(笑)。たとえば、エクストリームの“More Than Words”とか、ミスター・ビッグの“To Be With You”とか。結構ベタですけど。

あとは俺の愛するドリーム・シアターの『Falling Into Infinity』に入っている“Hollow Years”と“Anna Lee”ですね。この2曲はアコースティックな感じで、実は今回のアルバムでも結構参考にしました。“Anfillia”のイントロのアレンジとかは、聴いたらわかるんじゃないかな(笑)」

ドリーム・シアターの97年作『Falling Into Infinity』収録曲“Hollow Years”

――国内アーティストだと何でしょう?

TORU「SIAM SHADEにはピアノ曲が意外とあるよね。“Tears I Cried”とか。“誰かの気持ちを考えたことがありますか?”もアコギと歌だよね。HAYAちゃんの車でもよく聴いた。

あとはボサノバは大好きなんですよ。ガットギターですけど、自分の指で弾くスタイルには結構合ってるんじゃないかな」

HARUKA「私は久石譲さんの曲で、EXILEのATSUSHIさんが歌ってる“懺悔”が世界一好きなんですよ。ピアノとストリングスのちょっと日本っぽい、中国っぽいアコースティックの曲なんですよね」

EXILE ATSUSHI & 久石譲の2013年のシングル“懺悔”

HAYATO「昔、世界一好きなのは“Silent Jealousy”(X)って言ってなかった?」

HARUKA「一言も言ってない(笑)!

でも、私は作曲をしないので、それが今回のアルバムでどう活きてるかっていうのは、あんまりないと言えばないんですけど」

アコースティックライブの手応えからアルバムへ

――アコースティック作品は幅広く様々な人が楽しめるものですが、今回の『&』はどのようなきっかけで取り組むことになったんですか?

TORU「よく訊かれるけど、はっきりしないよね(笑)。

こういう編成でも表現してみたいって思いはずっとあったんですね。歌がより活きるんじゃないかって。そんなところから、アコースティックライブもやるようになって、そこで感じた手応えもあったから、いよいよって感じになったんだと思うんですよ」

『&』トレーラー

HAYATO「ようやく形にできるぐらいにはなったのかな。

やっぱりアレンジが難しいんですよ。だから、最初のうちはフルアルバムなんて話じゃなくて、何曲か出せたらいいよねみたいな感じだったんですよ」

TORU「確かにそんな話だったね。4曲ぐらいアレンジして、新曲を1曲入れるとか。それも何年か前の話だけど」

HARUKA「ただ、去年、配信でライブをやったときに、3人の気持ちが合ってるかを試そうみたいな、おまけ企画があったんですよ。そこで〈今年の目標は?〉って問われて、2人はアコースティックアルバムを出したいって言ってたんです。多分、あれがもう一度火をつけたきっかけなのかなって」

TORU「どうかなぁ」

HAYATO「でも、そう言ってたぐらいだから、多分、うっすらとはあったんだろうね。

あとはコロナの影響もあるんじゃない? これでじゃんじゃんライブをやってたら、多分、アコースティックアルバムを作るかって話にはなってなかったような気もするよね」

HARUKA「そんな中で、今度の8月のライブに向けて、その前に何かしたいねって話になったんですよね」

TORU「4枚目(2020年作『TRINITY』)が出て、曲数が増えたから、選べる曲が増えたっていうのもあるかもしれない」

――ロックバンドが自分たちの曲をアコースティックで演奏するケースは少なくないとはいえ、それが可能なバンドじゃないと、そもそも選択肢に入ってこない。その意味では、TEARS OF TRAGEDYにとっては、アコースティックで何かをやること自体、大きな壁を乗り越えるものではなかったとは思うんです。

HARUKA「でも、最初のアコースティックライブは見よう見まねというか、見切り発車だったんじゃないですか? できる確証はないけどやってみようみたいな」

TORU「2013年の12月にセカンド(『Continuation Of The Dream』)が出て、そのときのインストアイベントでやったのが最初だったんですよね」

HAYATO「その時点では、TEARSには〈ピアノだけで1曲〉とかはなかったから、それこそ本当に見よう見まねじゃないけど、俺も初めて“The Arclight Of The Sky”とかをピアノだけのアレンジにしたりもしたんだよね」

HARUKA「それがわりと好評だったから続けてるのかなと思うんですけどね」

 

ゼロからイチを生み出す作業だったアコースティックアレンジ

――今回の選曲はどのように考えたんですか?

TORU「もしやるんだったらこれかなっていうのを、実は時間がある時に考えたりはしてたんですよ。それプラス、今まで人前でやった曲に関しては、ブラッシュアップして収録できるんじゃないかと思いましたし、それとは別にこの曲をアレンジしたらどうかなってアイデアも自分の中にあったんですよ。それを2人に伝えてみて、今回の10曲が決まっていった感じでしたね」

HAYATO「パッと決まってね。特にそこで揉めるとかもなくて」

TORU「なるべくHAYAちゃんに負担が掛からないように(笑)。

一番大変だったのは、アレンジがゼロイチの作業に近くなる曲なんですよ。それを僕が引き受けた感じだったんですけど、要はインストアイベントとかでやった曲は、漠然とですけど、すでにアコースティックの編成でやれる状態にはあるわけですよね。ただ、そうじゃない曲に関しては、メロディーとコード進行はあるとはいえ、編成がバンドとは違いますし、テンポもキーも変えたりするので、さぁどうするかと」

――演奏したことがなかったのはどの曲だったんですか?

TORU「“Anfillia”“Blue Lotus”“always”ぐらいかな。“It Like Snow...”“Euclase”“Spring Memory”は、アコースティックギターと歌という編成で演奏したものをアルバムの購入特典として配ったことがあって、最初はその3曲はそのまま収録しようかとも考えたんですよ。負担的に、他の曲に時間を割けるから。

でも、他の曲のアレンジが始まって並べて聴いたときに、代わり映えがしない気もしたんですね。やっぱり聴く人に楽しんでもらいたいので、そこは頑張って改めてアレンジして。特に“Euclase”は大変身しましたね。“It Like Snow...”のギターは2本にして、“Spring Memory”は自分でピアノを弾いて。“Anfillia”とか“Blue Lotus”はゼロイチに近かったかな」

――どちらも原曲がまさにメロディックスピードメタルのスタイルですから、まったく違う曲になりましたね。

TORU「そうですね。“Anfillia”のAメロは、漠然とアコースティックにしたらこういう歌の始まりがいいなって思っていた感じにしたんですよ。でも、1曲通してやるとなると、その最初のイメージだけで作るのはちょっと難しかったんですよね。とにかく尺がもたない。そこで改めて起承転結を考えつつ、最後まで飽きずに聴かせられるような形にして。ただ、いろいろ盛り込んではいても、お腹いっぱいにならないようにしないといけないんですよね」

『&』収録曲“Anfillia”

――アコースティックアレンジをする場合、基本的には通常のバンド編成よりも音を削っていく作業になりますが、いろんな音を盛り込みたくもなる。

TORU「うん。ただ、それをやると、またバンドアレンジのほうに寄ってきちゃう。その辺のさじ加減が難しんですよね。

とはいえ、“Euclase”はその意味では完全に切り替えて考えたんですよ。もはや4つ打ちですからね」

HAYATO「もうEDMみたいな。誰もがこんなふうになるとは思ってなかったです」

HARUKA「アコースティックアルバムって言ってますけど、あんまりアコースティックじゃないものもあるんですよね」

『&』収録曲“Euclase”

地獄の始まり

――“Blue Lotus”のMVが先行公開されましたが、今回のアルバムに向けてアレンジするうえでポイントになったものは何でした?

HARUKA「私です(笑)」

TORU「そうですね(笑)。曲の指定はなかったんですけど、ジャズっぽいような、タンゴっぽいようなテイストでアレンジされたものが欲しいっていうリクエストがHARUKAからあったんですよ。そこでいろんな曲を眺めてみたとき、これだったらできそうかなと思ったのが“Blue Lotus”だったんですね」

『&』収録曲“Blue Lotus”

HARUKA「椎名林檎さんがカバーしている“ワインレッドの心”(安全地帯)を聴いたときに、バンドネオンを使ったこんな感じのアレンジがあったら面白いなと思ったんですね。今までやったことがなかったし、希望だけ言ってみようと思って2人に投げたんです」

TORU「それが地獄の始まりだった(笑)」

――地獄の始まりって(笑)。

TORU「ちょっと心が折れそうになったんですけど(笑)。レコーディングでは自分がピアノも全部弾いたんですよ。だから、ライブでやるとしたら、HAYAちゃんに弾いてもらうか、HAYAちゃんがウッドベースをやるか(笑)」

――楽しみですね(笑)。歌詞はどんな思いで書いていたんですか?

HARUKA「書いたのはすごく前なんですよね……でも、歌いながら、水槽の中で自分が泳いでるイメージだったのを思い出したんですよ」

TORU「でも、『STATICE』(“Blue Lotus”が収録された2016年作)の制作に入った頃を思い出すと、俺とHARUKAがめちゃくちゃ仲が悪かったんですよ。自分的にも、もう一緒にやれないとギブアップするか、結構、瀬戸際だったんですね。

HARUKA的にはそういった当時の背景が歌詞に反映されてるのかどうか、訊いたことはないけど、曲によっては、〈今はこういう気持ちなのかな〉って読んだ歌詞もあったんですね(笑)」

HAYATO「他のメンバーはそういう深読みもしてたからね。〈あの歌詞、見た?〉〈ということは、そう思ってるんだよ〉〈そうかぁ〉みたいな(笑)」

HARUKA「うーん、もっと前だったら、もしかしたら自分のことを交えて書いてるかもしれないけど、『STATICE』ぐらいからは自分のことは書いてないですね」

――じゃあ、この“Blue Lotus”を改めて歌ってみても当時のことは……。

HARUKA「あんまり思い出さない(笑)」

TORU「もううらやましいですよ。〈あんなに揉めたのに覚えてないの!?〉みたいな(笑)」

HAYATO「こっちは根深いですから(笑)。これは絶対に記事にしてください(笑)」

TORU「今はこうやって笑えるから全然いいんですけど、当時はもう大変みたいな」

HARUKA「都合のいいことだけ覚えてる(笑)。でも、今回のアルバムに関して言えば、私、歌詞をあんまり見てないというか、言葉の意味とかを考えて感情移入してみたいな歌い方をしてないんですよ」

HAYATO「どっちかというと、メロディーの動きとかに合わせて歌い方を変えてる感じだよね」

TORU「あとは曲の雰囲気じゃない?」

HARUKA「曲の雰囲気もそうだし、目立たせたい部分なんだろうなってところでちょっと歌い方を変えるとか、メロディーとかに引っ張られて歌ってるほうが多いですね。それは普段からそうではあるんですけど」

TORU「多分、アコースティックの響きに合うように最適化されていったような感じはありますね。そのうえで、声のバリエーションなどで、聴いている人を楽しませたい想いもあったと思いますし。実際にいろんな歌い方をしてますよね」

HAYATO「レコーディングのときに、HARUKAがそれぞれの曲でテーマを決めて書いていたメモみたいなものがあるんですよ」

HARUKA「セクシー、色っぽい、エモい、とか(笑)」

 

“Blue Lotus”のMVでTORUは食べてるだけ?

――多分、すでに自分の体の中に歌詞が染みついているので、特に何か意識することもなく、自然に歌える状態にあったんだとは思うんですよ。あのMVの内容は、誰のアイデアだったんですか?

TORU「これは俺の予想ですけど、このアルバムのテーマに沿ったMVを作るという考え方だったと思うんですね。たまたま曲は“Blue Lotus”になりましたけど、他の曲でも近いような画になったんじゃないかなって」

HARUKA「まさにその通りで、私はこのアルバムの10曲を並べた中で、“Blue Lotus”が純粋に好きだったので選んだんですけど、『&』としてのMVみたいな感じにしたかったんですね。

この〈&〉というタイトルには、別腹という意味が込められているんです。ご飯を食べた後に、胃袋の中に空洞ができる別腹のことですけど、TEARSはアコースティックライブを〈別腹〉というタイトルで昔からやってたんですよね。でも、それをそのままアルバムのタイトルにしたらちょっと間抜けな感じになっちゃうから、それっぽい言葉をということで〈&〉と書き換えたんです。

そこで別腹ということで、スイーツをとにかくたくさんみんなで食べるっていう内容にしようかって。普段とまったく違うものにはなってて、面白いなとは思います」

――印象的ですよね。HARUKA、歌う、HAYATO、弾く……。

TORU「そう、俺、食べてるだけって言われる(笑)」

HARUKA「TORUさんは作曲をしてる画なんですけど、あんまり伝わってなかった(笑)」

HAYATO「(アルバム制作で)一番忙しくしてた人なのにね(笑)。この曲の仕事の分担で言ったら、俺なんですけどね、食べてるだけなのは(笑)。この曲はギターが入ってないからね」

TORU「そういう意味でも大変だったよ。自分がメインとしてやってる楽器を演奏しないアレンジをして、それをレコーディングしたっていう。しかも、挙句の果てには〈食べてるだけ〉って言われるという(笑)。でも、曲を気に入ってくれたらそれでいいですけどね。

いいきっかけになったかなと思うアルバムなんですよ。一つの在り方として、今回のアルバムでやったような表現を突き詰めると、TEARS OF TRAGEDYはこうなるっていうのが出せたんじゃないかな。ある意味、持てるすべてを使った感じもしますよね(笑)」

歌のお姉さん、黒猫さん、しょこたん、宇多田ヒカル……

――バンドのポテンシャルがすごくよく表れたアルバムだと思いますよ。冒頭でも歌を活かすという話はありましたが、今回はHARUKAさんの魅力も今まで以上に色濃く表現されている。先ほど話題に出た歌詞シートのメモには、他にはどんなことが書かれていたんですか?

HARUKA「“Anfillia”には〈私〉って書いてありますね。これは一番古い曲なんですよ。だから、今の自分がそのまま歌えば、自然に変化も表れるだろうって意味合いを込めて。“クロノメトリー”は〈跳ねる感じ〉〈R&B〉〈楽しい〉(笑)。“always”には〈歌のお姉さん〉〈(陰陽座の)黒猫さん〉って書いてある(笑)」

TORU「陰陽座にもピアノバラードがありますよね、“星の宿り”とか。我々もめっちゃ聴いてきた世代だし、HARUKAはコピーバンドもやってたし」

――でも、すごく重要なことを言ってますよね。その曲のイメージ、あるべき姿をすごくシンプルに言い表している言葉ですから。

HARUKA「あまり難しいことはわかんないですけど(笑)。

“Spring Memory”は〈ささやき〉。“VOICE”は、大好きなAimerさんやアイナ・ジ・エンドさんみたいにしたくて、一回やってみたんですけど、HAYATOに却下されたんですよ」

TORU「その音源は残ってないの? 聴いてみたいんだけど」

HAYATO「もう全然駄目です(笑)。ものまねじゃないんだからっていう」

HARUKA「まぁ、そんなふうに当初は思ってたんですけど、“VOICE”は何年か前にアコースティックアレンジで撮ったMVがあって、そのときとも違う感じにしたいなと思って、ちょっと崩して歌って」

TORU「MVを公開したのは2019年ですけど、レコーディングしたのは2017年ぐらいだから、5年以上経ってるんですね」

2019年の“VOICE (Acoustic Version)”のミュージックビデオ

HARUKA「“VOICE”に関しては、歌詞の紙に何も書いてないから、多分、〈自分〉なんでしょうね。“frost flower”は、〈しょこたん〉〈笑顔〉。“Euclase”は〈宇多田ヒカル〉って書いてある(笑)」

TORU「R&Bチックなっていうこと?」

HARUKA「多分、そういうことが言いたかったんだと思います」

――そういった言葉も謎解きのように楽しめますね。歌録りはいつもと同じように行ったんですか?

TORU「いや、いつもだったら、全部プリプロをするんですけど、今回は過去に歌ったことのある曲であったり、スケジュールの都合だったりとかで、基本的にはいきなり本番っていう感じでしたね。もちろん、そこで録ったものを聴いて、改めて考えることもありますけど、事前にどうなるのかは、僕らはわからなかったです。HARUKA的にはあったのかもしれないですけど」

HARUKA「ありませんでした(笑)」

TORU「とにかく歌って、それを聴いてみてでしょ?」

HARUKA「もちろんそれはあるけれど、最初からこの曲はこう歌おうというイメージがすべての曲であったわけではなくて、行きの車の中で、声出しついでに練習しながら、今日歌う3曲はこんな感じにしようかなみたいな……」

――あんまり決め込んで歌うことをしたくなかったということですよね。

TORU「結果的にファーストインプレッションがハマってるってことだと思うんですよね」

――いわゆるバンドサウンドが後ろで鳴っていないことも関係しますが、息遣いもすごく残されていますよね。

HARUKA「あぁ。息遣いはちょっとしたテーマとして意識はしてましたね。今回はアコースティックだから、自分の声がすごくダイレクトに伝わると思うので、いつも以上にブレスで歌うみたいなことを心掛けてました」

TORU「今、息遣いの話がありましたけど、今回はこれまでやってなかったボーカルの処理を個人的にやったんです。ピッチやリズムを修正するということではなく、ちょっとしたノイズの処理なんですね。それこそ1文字ずつじゃないですけど、とにかく綺麗になるように夜な夜な取り組んで。どの曲でも慎重に慎重に。バンドサウンドだったら目立たなくても、この編成だと気になる箇所も出てくるんですよね。当然、難しいところもあったんですけど、可能な限り余計なものを取り除いて。最初は気づかなかったんですけど、よく聴いたら、ある曲ではマイクを蹴った音が入っててびっくりしたんですよ(笑)。しかも歌にかぶってて。何とか上手くそのノイズだけ消せたのでよかったですけどね」

HARUKA「結構、聞こえてこないだけで、そういう音はあったと思うんです(笑)。目をつぶって歌ってたりすると、気づいたらマイクにすごく近づいていて、思わず触ってしまったりして」

 

アコースティックアルバムにチャレンジしたからこその成長

――そういった丁寧な取り組みも、シンガーの個性が表れる繊細な面をより伝えてくるわけですね。こうして完成してみると、やはりすごく充実感があるのではないですか?

HARUKA「そうですね。数年後に聴いたら、きっとまだまだだなって思うんでしょうけど、今できる最大限のことを、それぞれが発揮できたのかなぁと思います」

HAYATO「あんまり背伸びしようとすると悩みすぎちゃうんですよね。だから、あまり気負わずに、いつも通りにできることをやる。TORUさんが苦労した分、こっちは楽させてもらったところはあるかもしれないですけどね」

TORU「2人を信頼してるし、それぞれの100%を出して欲しいんですよ。とにかく全力でやってもらいさえすれば、絶対にいいものができる。

だからこそ、逆に自分はどうしようかなって感じでもあったんですけど、結果的にいろいろチャレンジもしましたし、それはHARUKAもHAYAちゃんもそうだと思うんですよ。いい経験にもなりましたし、こういうアルバムを作ったからこそ成長できた部分も何かしらあると思うので、それがまたこの後の人生というか(笑)、いろいろな表現にも活きてくるだろうし、自信にもなったかなと思うんですよね」

――さて、来る8月28日には〈TRINITY&OVERTURE〉と題された、バンド編成での公演が予定されていますが、『TRINITY』をリリースしてからは初の有観客ライブとなりますね。これも当然楽しみではありますが、今回の『&』を聴けば、久々のアコースティックライブの実現も期待したくなります。

HAYATO「はい(笑)」

HARUKA「我々はやりたいと思ってるんですけどね、せっかく作ったので(笑)」

TORU「今までのアコースティックライブは、まず曲数が少なかったし、半分トークショーのファンミーティングみたいな感じだったんですよね。だから、それこそウッドベース奏者を呼んだりして、純粋にアコースティックでのしっかりとしたワンマンができたらなって。そう遠くない未来にやりたいですね」

 


RELEASE INFORMATION

リリース日:2022年5月25日
品番:WLKR-0062
フォーマット:CD
価格:3,300円(税込)
タワーレコード特典:ジャケ絵柄キーホルダー

配信リンク:https://diskunion.lnk.to/and

TRACKLIST
1. クロノメトリー
2. Spring Memory
3. Anfillia
4. VOICE
5. It Like Snow...
6. Blue Lotus
7. The Arclight Of The Sky
8. frost flower
9. Euclase
10. always

■TEARS OF TRAGEDY
HARUKA – Vocals
TORU – Guitars, Bass*
HAYATO – Piano
*Piano (M-2, 3, 6, 8), Programming (M-3, 6, 9)

 

LIVE INFORMATION
TEARS OF TRAGEDY ワンマンライヴ『TRINITY&OVERTURE』

2022年8月28日(日)東京・新宿 BLAZE
開場/開演:16:15/17:00
前売り/当日:4,500円(税込/ドリンク代別/整理番号付)/5,000円(税込/ドリンク代別)

■サポートメンバー
ベース:Yoji Tanegashima(AFTERZERO他)
ドラムス:MAKI(ex-HER NAME IN BLOOD)

■一般発売
2022年5月28日(土)10:00〜
イープラス:https://eplus.jp/tears-of-tragedy/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/tears-of-tragedy/
ローソンチケット:https://l-tike.com/tears-of-tragedy/

お問い合わせ(ネクストロード):03-5114-7444(平日14:00〜18:00)/http://nextroad-p.com/