マーティ・ホロベックがニューアルバム『Trio III』を2022年6月15日にリリースした。

オーストラリア出身で、現在日本の音楽シーンでその存在が大きく注目を集めているベーシストのマーティ・ホロベック(Marty Holoubek)。彼の3作目になるリーダーアルバムが、配信とアナログでリリースされた。

『Trio III』には、日本を代表するインプロバイザーである石橋英子と山本達久が参加。マーティ・ホロベック自身による編集作業と、ジョー・タリア(Joe Talia)によるミキシング、マスタリングを経て、他に類を見ない、極めて独創性の高い世界を提示している。

『Trio III』は、楽曲を7トラックに分けた『Trio III Radio Edits』と、1トラックにまとめた『Trio III (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)』の2種類が配信されている。

山本達久と石橋英子のコメントは次のとおり。

一般的な話にはなりますが、、、気の利くムードメイカー、若しくは典型的な長男タイプの性格の人だと、表面的にはその人の素直な感情というものが見えにくいということがありますが、この作品はそんなマーティの一般的なイメージではない側面が見事に表層化されていると感じます。
この作品を録音するにあたり、実はこの何倍もtakeも曲数も録音しましたが、マーティによる大胆な編集とジョーのmixも経て最終的にこの形になったことによって、演奏した自分も想像出来ていなかった作品になったと同時に、マーティの更に新たな側面を知ることができ、他人事のようにこの作品を聴けています。
というわけで何も考えずに40分、出来る限り大きい音で聴いてみて下さい。

山本達久

 

明るくて朗らかで演奏も上手で料理も上手、しかも極め付けは素敵な奥様もいる。部屋はいつも綺麗。日本に引越してまだ三年くらいですか? 仕事も順調。みんなの人気者。非の打ちどころのないマーティ。
思春期の時に出会っちゃってたら、絶対仲良くしてもらえないと勝手に決め込んでしまうタイプの人間だったと思います。
しかし私もいい歳になったのでそんなマーティにも毒や悪魔が潜んでいる事をわざわざ見つけそれを喜び、そしてその部分を愛してさえもいます。
マーティの繊細さや気品と共に終わりなく連なる毒気と影。
その一環の流れのようなものが終わらないよう祈り続ける、そんな作品だと思います。

石橋英子

マーティ・ホロベックが素晴らしい音楽家たちと作り上げた新作『Trio III』。ぜひ聴いてほしい。

 


RELEASE INFORMATION

MARTY HOLOUBEK 『Trio III』 APOLLO SOUNDS/JET SET(2022)

リリース日:2022年6月15日
品番:JSLP169
価格:3,300円(税込)

配信リンク:https://ultravybe.lnk.to/trioii

TRACKLIST
1. Trio III (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)

 

MARTY HOLOUBEK 『Trio III Radio Edits』 APOLLO SOUNDS(2022)

リリース日:2022年6月15日
配信リンク:https://ultravybe.lnk.to/trioiii-radio-edits

TRACKLIST
1. Opening (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)
2. Part I (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)
3. Part II (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)
4. Part III (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)
5. Part IV (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)
6. Part V (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)
7. Closing (feat. Eiko Ishibashi & Tatsuhisa Yamamoto)

 


PROFILE: MARTY HOLOUBEK
90年9月3日生まれ、オーストラリア出身で現在は東京在住の音楽家。自身の『Trio』シリーズをはじめ、SMTKやHishakaku Quartetの共同リーダーを務めるなど、自身のプロジェクトを牽引している。

PROFILE: 石橋英子
石橋英子は日本を拠点に活動する音楽家である。ピアノ、シンセ、フルート、マリンバ、ドラムなどの楽器を演奏する。ドラッグ・シティ、ブラック・トラッフルズ、エディションズ・メゴ、felicityなどからアルバムをリリース。2018年にアルバム『The Dream My Bones Dream』を発表。国内でCD、海外でLP盤、配信で発売され、英音楽誌「WIRE」の表紙を飾る他、各雑誌のベストアルバムに選出された。2019年、アニメ「無限の住人-IMMORTAL-」の音楽を担当。サウンドトラックが2020年に発売される。2019年5月にフランス国立電子音楽研究所Ina-GRMなどの招聘を受けヨーロッパ7か国を巡るツアーを行い、6月にタスマニアのフェス〈Dark Mofo〉にジョー・タリアとともに出演、11月にバンド(山本達久、ジョー・タリア)を率いてオランダ、ユトレヒトのフェス〈Le Guess Who?〉とベルギー、コルトレイクのフェス〈Sonic City〉に出演した。2020年1月、シドニーの美術館Art Gallery Of New South Walesでの展覧会〈Japan Supernatural〉の展示のための音楽を制作、〈シドニー・フェスティバル〉の開催期間中に美術館にて発表された。2021年、映画「ドライブ・マイ・カー」の音楽を担当。サウンドトラックが発売される。

PROFILE: 山本達久
独創的なソロや即興演奏を軸に、ジム・オルーク/石橋英子との様々な活動をはじめ、カフカ鼾、石橋英子ともう死んだ人たち、坂田明と梵人譚、禁断の翼棟、オハナミ、NATSUMENなどのバンド活動多数。ex-芸害。青葉市子、UA、カヒミ・カリィ、七尾旅人、phew、前野健太、山本精一など歌手の録音、ライブサポート多数。演劇の生伴奏・音楽担当として、SWANNY、マームとジプシーなど、主に都内を中心に活動。2011年にはロンドンのバービカンセンターにソロパフォーマンスとして招聘されるなど、海外公演、録音物も多数。活動は多岐にわたる……。