菊地成孔ダブ・セクステット、DCPRGでの活躍でも有名な類家心平のソロアルバム。本作は数多く共演しているピアニストの中嶋錠二とのデュオの編成になっている。類家心平と中嶋錠二は2014年にも『N.40°』というアルバムを録音しており、8年ぶりの邂逅になる。ジャム・バンドやポストロック的なサウンドでのアプローチが目立つ類家心平だが、本作ではスローナンバーを中心としたリリカルな表現に挑んでいる。全11曲中3曲を類家心平のオリジナルソングで、中でもリチャード・ブローティガンの小説「愛のゆくえ」に出てくる女性ヴァイダをモチーフにした“Vida”は美しい名曲だ。