千年後の未来を想像した前作『3020』に次いで、ボアズが想いを馳せるのは〈音楽を作る〉という営み自体について。新メンバーの松田タツロウによる逡巡のないドラミングが駆動力となり、バンドのアンサンブルは持ち前の精緻さは変わらずも、その内部に熱き血潮が滾っていることを感じさせる。現世で生きている人々の肉体を使った演奏とエレクトロニック機材に潜む幽霊たちとの交感が編み出した、境界で鳴らされるロック。