fhánaのいろいろな音を担当している、kevin mitsunaga(ケビン ミツナガ)です。突然なんですが、今回は急にピアノが主体の曲を紹介したくなりました。僕はピアノが使用されている楽曲が大好きなんですが、思い返せば僕はもともと弦楽器よりも鍵盤楽器のほうが触る機会の多い子どもでした。そういうこともあって、ついつい自然とピアノが入っている曲を好んで聴いてきた気がします。

ESNO 『VISIONARY』 Fil(2012)

 そんなわけで、最近よく聴いている楽曲をご紹介します。まずは1曲目、ESNOの“Visionary”。美しいピアノと細かくチョップされた電子音から始まり、どんどんと重なるウィスパー・ヴォイスと手数の多いドラムが爽快な楽曲です。冬の冷たい澄んだ空気を思い起こさせます。一見ひんやりした質感だけどポップで温かいメロディーが組み合わさるこの感じ、まるで北欧家具に手で触れた時のような楽しさがあります。

婦人倶楽部 『フジンカラー』 Grand Pacific Work(2016)

 続いて2曲目、婦人倶楽部の“グルメ紀行”。ピアノとブラスのリラックスとした雰囲気で始まりつつ、こちらも手数の多い高速なビートが気持ち良い楽曲です。フルートやマリンバも増えてきてコロコロと可愛い音が転がる感じが楽しいですね。楽しいけどインテリな雰囲気も漂った楽曲に重なる〈佐渡は美味しいもの沢山あるの~〉という歌詞が最高です(笑)。

sébuhiroko 『WONDERLAND』 ポニーキャニオン(2015)

 3曲目は、世武裕子“君のほんの少しの愛で”。明るいピアノとボーカルの組み合わせが爽やかで、日の出や朝焼けを思い起こさせる楽曲です。これまで紹介した楽曲よりもシンプルな楽器構成で、ピアノの力強さをより感じられますね。サビのコードとメロディーがストレートに心に迫ってくるので、ちょっと心が弱ってる時に聴くと涙が出そうです。

 さて、いかがだったでしょうか。ピアノって本当に不思議な楽器ですよね。個性の塊なのにどんな曲にでも馴染んでしまうところが素敵です。どんな所にでも馴染めるピアノみたいな人間でありたいものです(笑)。また次回お会いしましょう! それじゃ、またね!

 


kevin mitsunaga
サウンド・プロデューサーの佐藤純一とyu­x­uki waga、ヴォーカリストのtowanaと組んだユニット、fhánaのいろいろな音を担当。最新アルバムCipher』(ランティス)も好評のfhánaでは、2023年1月26日にスペシャル・ライヴ〈fhána New Year Live 2023 あけおめの集い〉の開催が決定! 1月29日には〈Cipher Live Tour 2022〉の名古屋での振替公演も開催。詳細は〈http://fhana.jp/〉でご確認を!