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『Midnights』に深く潜っていくための関連盤を少しだけ紹介

 今回の『Midnights』を総合サポートしたのは、『Lover』(2019年)でテイラーと好相性を見せた売れっ子のジャック・アントノフ。今年はThe 1975のアルバムやサントラ『Minions: The Rise Of Gru』をガッツリ手掛けるなど大活躍中だが、ここ数年の大仕事ではラナ・デル・レイやクレイロのアルバムがテイラー作品にも通じるところ。また、ジャックとテイラーはオリヴィア・ロドリゴの大ヒット“deja vu”もコライトしているのでお忘れなく。そんな磐石のコンビネーションに“Lavender Haze”(ローラウルフでも活動したゾーイ・クラヴィッツが共作)などで絡むのはケンドリック・ラマーなどで知られるヒップホップ畑のサウンウェイヴで、テイラーとは『Lover』に収録された“London Boy”以来の手合わせ。最近ではガブリエルズなどに独自のアトモスフェリックな作法を落とし込んでいる。なお、インディー・フォーク路線をメインで支えたアーロン・デスナーは、彼とジャスティン・ヴァーノンが組んだビッグ・レッド・マシーンのアルバムにテイラーを招いたり、リース・ウィザースプーン製作の映画「Where The Crawdads Sing」におけるテイラーのフォーク新曲“Carolina”をアーロンが手掛けるなど、作風に応じて今後も絡みは多そうだ。 *轟ひろみ

左から、ラナ・デル・レイの2021年作『Chemtrails Over The Country Club』(Polydor)、クレイロの2021年作『Sling』(Fader/Republic)、オリヴィア・ロドリゴの2021年作『Sour』(Geffen)、ガブリエルズの2022年作『Angels & Queens Part 1』(Atlas Artists/Parlophone)、ゾーイ・クラヴィッツが参加した2017年のサントラ『Big Little Lies』(Abcko)、ビッグ・レッド・マシーンの2021年作『How Long Do You Think It's Gonna Last?』(Jagjaguwar)、2022年のサントラ『Where The Crawdads Sing』(Decca)