コラム

テイラー・スウィフト(Taylor Swift)がついに日本へ! 新装盤『Midnights』とともに規格外の〈The Eras Tour〉に備えよう

【OPUS OF THE YEAR 2023】

さらなるスケールアップを果たしたテイラーが日本にやってくる!

 いろいろなメディアで音楽や映画、スポーツなどのイヤーエンド・ランキングが賑やかな季節だが、そのなかで米Time誌の選ぶ2023年の〈Person Of The Year(今年の人)〉にテイラー・スウィフトが選出されたのは大きなニュースだったと思う。1927年から始まった〈今年の人〉はこれまで国家元首や政治家、財界人など伝統的な権力を持った男性が選ばれることが多く、歴代の顔に並ぶのは多くのアメリカ大統領をはじめ、3名のローマ法王、エリザベス女王、キング牧師、マーク・ザッカーバーグ、グレタ・トゥーンベリ、イーロン・マスクといった人たちだ。2022年にはウクライナのゼレンスキー大統領が選ばれている。そんななかで、テイラーは芸術分野での功績が評価された最初の人物となったのだ(なお、2017年にも女性の性的虐待に抗議した〈The Silence Breakers〉の一人としてテイラーは選ばれている)。

 同誌は〈今年は暗いことが多い年だった。分断された世界であまりに多くの組織が役割を果たせないなか、テイラー・スウィフトは国境を越え、多くの人に光を与え、心を動かした〉と評しているが、同時にお堅いニュース雑誌にも注目されたのは、そのとんでもない経済効果と社会的な影響力に他ならない。2023年3月にスタートして2024年12月まで続く彼女の〈The Eras Tour〉は、世界中で151公演を行うキャリア最大規模のツアーだ。タイトルが示すように、ツアーのテーマは彼女の辿ったすべての時代(Era)を表現するというもので、これは10億ドルを超える史上最大の興行収益を生み出したツアーとしてギネス世界記録に認定されている。

 思えば、ビッグ・マシーンから独立して『Lover』(2019年)を発表した頃の彼女は、同作を引っ提げてのツアーをパンデミックの影響で行えなかった。そこからのツアーができない期間に彼女は芸術点の高い『folklore』『evermore』で支持層を広げ、さらには古巣時代のアルバムを丸ごと再録する〈Taylor’s Version〉の順次リリースをスタート。2022年10月に発表した記録破りの『Midnights』を含めれば、〈The Eras Tour〉はアルバム数枚分を総合してのツアーという意味合いにもなるわけだ。2023年は各地を回りながら7月に『Speak Now (Taylor’s Version)』、10月には『1989 (Taylor’s Version)』をリリースし、いずれも大ヒットを記録している。さらには当時『Lover』からシングル・カットする予定だったという“Cruel Summer”(オリヴィア・ロドリゴがデビュー作中の“deja vu”で引用していた)を6月にシングル化し、これはツアーでもフィーチャーされることで4年越しの全米1位を獲得している。とにかくライヴとMVとリリースが矢継ぎ早に相乗効果を生み出すことで、現在のテイラーはかつてのブレイク時よりも段違いのスケールで大きな存在になっているというわけだ。

 そして、2024年2月には〈The Eras Tour〉が日本にやってくる。2月の7~10日の4日連続で東京ドーム公演が行われるのだが、海外女性アーティストによる東京ドーム4日連続ライヴは初めてのことだそうだ。テイラーの来日公演自体も実に5年3か月ぶりのことだそうで、スウィフティーズならずともこれは待望の機会だろう。で、そんな来日を記念してこのたび日本独自にリリースされたのが2022年作の新装盤『Midnights (The Late Night Edition)』だ。

TAYLOR SWIFT 『Midnights (The Late Night Edition)』 Republic/ユニバーサル(2023)

 これは当初〈The Eras Tour〉のニュージャージー公演の会場でのみ販売されていたもので、今回はそれを7インチ紙ジャケ仕様のデラックス盤として日本盤化。オリジナル・ギターピックやポスターが封入されるほか、8曲のボーナス・トラックが収録されていて、アーロン・デスナーと共同制作した“Would’ve, Could’ve, Should’ve”や2021年の録音を蔵出ししてきた“You’re Losing Me”、“Karma”のアイス・スパイス参加ヴァージョンなど、これまでさまざまな場所で聴くことのできた楽曲のおおよそがまとめられている。

 なお、来日直前には主要3部門を含む6部門でノミネートされているグラミーの授賞式も行われる。そんなタイミングも含めてどのような公演になるのか、いずれにせよ2024年もテイラーには何度となく驚かされることになるのだろう。

左から、テイラー・スウィフトの2019年作『Lover』(Republic)、テイラーが客演したナショナルの2023年作『First Two Pages Of Frankenstein』(4AD)

テイラー・スウィフトの2023年のアルバム。
左から、『Speak Now (Taylor’s Version)』『1989 (Taylor’s Version)』(共にRepublic)

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